北海道道東の旅。1日目は網走監獄観光

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こんにちは!旅好き風来坊シンガーソングライターのB型さんです。

Twitter→@sauripon

美味しいもの、見所が満載の北海道は憧れの場所ですよね。

ですが、北海道は行ったことがあるけれど、道東はまだ攻めたことがない…

そんな人も多いのではないでしょうか。

私も何となく行きにくいイメージを持っていました。

でも、やっぱり見てみたいものは見てみたい。

ということで行き先を道東に絞り、行ってきました!

今日はその旅の一日目に訪れた”網走監獄”のレポートをします。

アクセス

関西国際空港から女満別空港まで飛びます。

直行便の飛行機で約2時間強。

関空から女満別までの直行便は、夏だけの季節運航。

機内から阿寒湖がきれいに見えました。

空港でレンタカーを借りて、国道39号線を北に30分程走ったところにあります。

網走監獄ってこんな場所

今回の1番の旅の目的はココ!日本最北端の刑務所です。

ガイドブックなどで、テーマパークのように紹介されている”網走監獄”。

ちょっとネタのような要素も感じる宣伝。

でも、そこは”人間”を感じることのできる場所。

人間だから、可笑しくもあり、悲しくもあり。

平均的な見学所要時間は2時間と聞いていたこの場所で、私が見学に要した時間は約4時間。

見たい!知りたい!という欲を掻き立てられる施設でした。

施設自体はもちろん、味噌や醤油、食料など全て自給自足の”網走監獄”。

小さな国じゃないか!

監獄と言うと、閉じ込められているイメージをもっていました。

けれどここにきて、監獄が「更生施設」であるということを改めて理解しました。

監獄の食事を体験

お昼過ぎに到着し、まずは昼食。

入場門前に新しい、きれいな食堂ができていました。

その名も「監獄食堂」。

食券制で、監獄食B(ほっけ定食)を注文。監獄食Aはさんま定食。

行列などはないものの、お昼時ということで、店内は混み合っていました。

混雑により、注文から少し待ち時間が発生。

ここはのんびり北海道。ゆっくり待ちましょう。

ほっけの開き

ふきとお揚げの炊いたん

長芋

味噌汁

麦ご飯

 

ほっけの塩分は控えめ。ふきとお揚げは甘めの味付け。関西で見かけないくらいの太いふきです。

長芋は切ったものにおかかと醤油をかけて食べる。味噌汁の味も…なんか知ってる…病院食だ…!

意外に美味しいとは聞いていたけど、本当に意外に美味しい、という表現が的確。

彩りが少ないせいで、ビジュアル的には美味しそうじゃないけど、監獄感が出てます。

メニューは、この他にも「森のランチ」や「ザンギ丼」のような彩りを考えられたものもあります。

うどんやそば、いも団子など単品メニューも充実していました。

監獄を目的に来たらしき人は監獄食を楽しんでいた印象。

付き添いで来たらしい人は、ザンギ丼などのメニューを選んでいる印象でした。笑

以前は刑務所内の「二見ケ岡農場」で、囚人のろう人形と一緒に食べられたようです。羨ましい。

刑務所入り

みんなが喜んで刑務所入り、という異様な光景。

入り口には看守さんのろう人形。

ここでスタッフの方が、手持ちのカメラやスマホで写真を撮影してくださいます。

販売用の写真も撮影されますが、購入は自由です。

独立型独居房

門を入って右手側に、まず目に入った独居房。

刑務所の中での規範を守らないなど、囚人の中でも特に問題のある人が入る独房。

レンガ造り、木造のタイプがあります。

3つのうち2つは窓1つなく、入り口の扉を閉めれば真っ暗になります。

考えるだけで気がおかしくなりそう…。

子どもの頃、「言う事聞かんかったら押し入れ放り込むで!」なんてよく言われたものですが、それと通じるところがありますね。

牢屋には、鉄格子タイプと木造格子タイプの2種類がありました。

木造だと、江戸時代の牢獄という感じです。

外からふと見える囚人のろう人形。

真っ暗な中、このポージングしかないですよね…。

”お仕置き”の要素が強いこの場所。

食事の量も減らされ、何もさせてもらえないそうです。

ここに送られるのは、かなり絶望的なことだったでしょう。

庁舎

囚徒が切り開いた北海道開拓の歴史を知ることができます。

監獄の最高責任者を”典獄”というそう。

その典獄室では、典獄目線で語られる網走監獄の歴史のミニシアターが見られます。

網走監獄初心者は、まずここを訪れるといいと思います!

ミュージアムショップもありますが、ここは最後のお楽しみ。

教誨堂(きょうかいどう)

いわゆる講堂。中は白と水色のさわやかな色合いにシャンデリア。

なんか…とってもおしゃれ…!

入った正面には仏壇。

刑務所内で亡くなった方のためのものだそうです。

ここには、収容されていた方が描いた絵や書道の作品も展示されています。

どれも息をのむほどのレベル。

これは偏見ですが、私の中の“囚人”のイメージとは結びつかない程、真っ直ぐなものを感じました

囚人とは言え、時代のせいで”悪”にされてしまった人もいるだろうしなぁ…。

後期には、窃盗や殺人犯が多かったようですが、初期の頃は政治犯や確信犯が中心だったとの事。

ふと祖父を思い出した。

私の祖父は奄美の人間。

戦後、奄美の日本復帰運動の中、何度も警察に連れていかれたと聞いています。

でも、じーちゃんは”悪”じゃない。

そんな人も収容されてたかもしれない…。

そんなことを考えて、やりきれない気持ちになりました。

動く監獄

典獄室のミニシアターで、囚人達が、北海道の道を切り開いて行った事実を知りました。

作業進行にともなって一時的な小屋を作っては壊し、作業地点を進めながら道を切り開いて行ったそうです。

小屋を作るところから全て、自分達でする。

中はこんな感じでした。

寝床は、枕が丸太一本で繋がっています。

朝、看守さんが丸太の端を叩いて囚人達を起こしたのだそう。

これが「叩き起こす」の語源だそうです。

現在の北海道の道があって、こんなに長い距離を移動できるのは

囚人達の働きがあったからなんですね。

景色がずっと一緒、なんて文句言ってる場合じゃない。

ありがとう…!という気持ちに。

ホッとする光景。

囚人服は、逃げだしても目立つようにこのオレンジ色なのだそうです。

それにしても、冬の囚人服はどうなっていたのでしょう…?

囚人体験

監獄歴史館に入ってすぐ、獄中写真風のものが撮れる機械がありました。

プリクラ的な感じですが、撮影時はものすごく命令してきます。

真面目に撮った方がそれっぽく仕上がります。笑

中では、現在の刑務所の様子も再現されています

取っ手を引くと、まさか…

「入れる…!?」

入りたくないけど、入りたくなるのが人情ってもんです。

ひと通り見たから出よう…

「取っ手が、ない!!!」

そうだ、ここは刑務所だ。

充分に生活できそうだけど、うーん、でもやっぱり嫌だ…!

二見ケ岡刑務支所

ごくたまに地味に動くろう人形がいて、びくっ!とします。

開放的処遇施設ということで、少し明るい雰囲気。

以前は、ここに監獄食を食べられる食堂があったようです。

一緒に食事する雰囲気を出したつもりが、ウザい看守みたいになってしまいました。笑

ミニチュアにした監獄の様子も展示されています。

ところどころ人間くさくて、ほっこりとした雰囲気も感じられるのがいいですね。

五翼放射状平屋舎房

明治45年から昭和59年まで使用されていた、一番大きな獄舎です。

木造行刑建築物としては、世界最古で最大の規模。さすがの大きさ!

入ってすぐにある中央の見張りを中心に、放射状に5棟が広がっています。

それぞれの廊下の両側に、雑居房や独居房が並んでいて、最大で700名以上を収容できるとのこと!

自分が生まれる少し前まで現役だったなんて信じられない。

牢獄とはいえ、木造の温かみと様式のせいで素敵に見えます。

牢屋の柵の作りは「斜め格子」。

外の看守から中は見えるが、牢獄内からは向かいの部屋が見えない作りになっています。

囚人たちが結託できないようになってるんですね。

対囚人の、こういった細かな工夫に「そうか!」とハッとさせられます。

その中には、格子の窓とシンク、そしてトイレ。

晴れているのに出られない。

窓からは、切なく光が差し込みます。

ここは寒さの厳しい網走。

冬には-15℃にもなるそうです。

1つの廊下に2つのストーブがあったようですが、こんなのでまかなえたとは思えない…。

冬の隙間風を防ぐ為の紙が貼られているのが、その辛さを物語っていました。

脱獄王・白鳥由栄

この扉。木ですが、かなり分厚く、重い。

鉄格子の小窓があるだけ。

こんなドアで閉じ込められたら、諦めるしかなさそう。

でもここからスゴい方法で脱獄した人がいる…と!

自分だったら…と考えても何にもアイデアが出ません。

それが”白鳥由栄”という人物。

食事の味噌汁を口に含んで手錠や鉄格子につけ、サビさせて折れる状態まで持っていく。

小窓から脱出する時には腕の骨を脱臼させたそう。

アイデアと忍耐のこの方法に、不覚にも感動してしまった!

こんなアイデアマンが、牢獄の外で生きてたらどんな人生を送ったんだろう。

「人間が作ったものは、必ず壊せるんですよ。」

…こんなこと言ってみたい。

この白鳥さん。どうやら4回の脱獄に成功し、看守さんさえも

「白鳥の脱獄が、自分の担当時じゃありませんように…」と祈っていたそう。

どんな人だったのか知りたくなって、帰りに本を買ってしまいました。

浴場

入浴時間は15分。

その他、入浴方法など細かく決められていたけれど、囚徒にとって一番の楽しみのひとつだったそう。

石鹸は持ち出されないようにぶら下げられている。

深さは95cmで、両手をあげて入浴する決まりがあったそうです。

湯舟の中で悪さをしないようにということらしいのですが、凡人には湯舟の中でできることなんて思いつきもしません。

地方裁判所

網走支部法廷復元棟。

イラストでは見たことがあったけれど、実物大で見るのは初めての裁判所。

シャンデリアは、法曹界の象徴である”公正に裁く”という意味がある天秤をイメージしているらしいのです。

そんなところもデザインされてるんですね。

お土産

網走刑務所のお土産と言えばニポポ人形。

キーホルダーになった小さなものは少しだけありましたが、

置物タイプの「ザ・ニポポ」は、庁舎内のミュージアムショップにも、出口前の物産館にもありませんでした。

お店の方に尋ねたところ、今はなかなか入ってこないとのことでした。

その他、刑務所で作られた商品やTシャツも販売されています。

いつ着れば良いのか…。ちょっとイカツイしな。笑

建築の美しさの記憶を持って帰りたくなって、写真集を購入しました。

3000円と気軽なお土産価格ではありませんが、これは本当に買って良かったです!

脱獄王についても興味が湧いて斎藤充功さんの「脱獄王」を購入。

「ここでしか売ってない」という売り文句につられたところもありますが、”帯”の話でした。笑

本自体は書店でも購入できそうです。

さいごに

今日は北海道、道東の旅1日目に訪れた“網走監獄”をご紹介してきました。

普段見ることのない監獄。

囚人と言っても同じ人間。その人間くささが面白い。

人間が愛おしく感じる場所でもありました。

ここに、網走監獄の人気の秘訣はここにもあるのかもしれません。

建築物としての素晴らしさはもちろん、人間の面白さを感じに行ってみてくださいね!

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

   
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