「自分は手が小さいからギターは弾けないかも…」と思っている人は多いですよね。
本当に手が小さければギターは弾けないのでしょうか。
この記事では、手の小さい人に知っておいて欲しいことをまとめました。これらのことを知っておくと、手の小ささをポジティブに捉えて進んで行けるはずです。
今回は、「手が小さい人はギターに向かないのか」という事や、お悩みの解決法について解説していきます。
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もくじ
手が小さいとギターは弾けない?
よく「手が小さいのでギターが弾けるようになるのか心配です…。」というご相談をいただきます。
結論から言うと、手は小さくてもギターは弾けるようになります。つまり、ギターを弾くのに手の小ささはあまり影響がないのです。
そんなに手の小ささが影響するのであれば、男性に比べて手が小さいことが多い女性には不利なはずですから、女性でギターを弾く人は少ないはずです。でも実際はというと、女性でもギターを弾くのは、いまや珍しいことではありません。
手が小さくても、プロのギタリストとして活躍する人も多くいらっしゃいます。
さらに言うと、Youtubeなどを見ていると、子どもでも大人と同じギターを演奏している動画をしばしば見かけます。
この状況からも分かるように、手が小さいことがギターを弾けるようにならない直接の理由にはならないのです。
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大きければ良いわけでもない
ギターを弾くのに、手が大きかったり、指が長かったりする人の方が有利だと思っている方は多いです。
ですが、単純に“大きければ得”という事でもないのです。大きい方が得な場合もありますし、逆に小さい方が、メリットがある場合もあります。
実際、手が大きい人は大きい人で悩むことがあります。私の友人に手指が長く、手が大きい方がいるのですが、「手が大きすぎて弾けるようにならないのではないか」と悩んでいました。
なぜかと言うと、かなり指を曲げなければ、指定の弦を押さえられないことがあったからです。
例えば、「G」コードという和音がありますが、これは次のように押さえます。
これを見ると、小指は一番下の弦を押さえるために折り曲げているのが分かりますよね。指が長かったり、手が大きかったりすると、この時にグーっと小指を折り曲げなければなりません。指が長い人にとっては、これが結構大変です。
でも、手の小さい人ならそこまで折り曲げる必要がありません。そのため、比較的楽に押さえられます。このような場合、手が小さいと無駄がないため、メリットとして捉えられることもあるのです。
手が大きくても小さくても、それぞれにメリットがあります。ですから、ギターを弾けるようになるために、手の大きさは大きく影響しないという事なのです。
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手の大きさや指の長さより大切な事
ここまでの話で、ギターを演奏するのに、手の大きさはあまり関係がないことがお分かりいただけたと思います。ここからは、ギターを弾く上で、手の大きさや指の長さよりも大切なことを2点お話します。
手の使い方
手の大きさより大切な事の1点目は、「手の使い方」です。
つまり、「自分の手をどのように使えば上手く押さえられるか」を考えるということです。これが非常に重要です。
人間の手は、みんな同じように見えて、実はひとりひとり異なります。例えば、手の大きさもその例の一つですし、その他骨格などによる違いもあります。
ですから、誰しも全く同じように手を使って演奏しているわけではないんですね。おおよその所は同じでも、細かく見てみるとそれぞれ“自分の手の使い方”があるのです。
つまり、どのギタリストも、自分の手をどうやって使えば上手く使えるかを各自研究しているという事です。
例えば、次のように押さえた場合、指が届きにくいとしますよね。
ここで考えてほしいのは、「じゃあどうやったら届くのか?」という事です。つまり、自分の手をどうやって使えば押さえられるか、という事を考えるのです。
その結果、次のように、親指を置く位置を変えると押さえやすくなることがあります。
これはあくまで一例ですが、このように自分の手の使い方を研究することで、弦は押さえられるようになるのです。
とりあえず弾く
2つ目は、手の大きさのことは気にせず、とりあえず弾くという事です。この“とりあえず”が、意外に重要なポイントです。
一度手が小さいことが気になり始めると、「手が小さいからダメなのかも…。」という不安をずっと持ち続けてしまいがちです。ですが、ここまでお伝えしてきた通り、実際の所手の大きさはほぼ関係ありません。
なので、指が届かなくても、音が少々汚くても、深く気にせず進んで行ってほしいのです。そうしているうちに慣れてきて、段々と押さえられるようになります。
私自身の練習を振り返ってみても、これが大きなポイントだったと感じています。ギターを始めたばかりの頃の私は、指が届かないことで悩むことが多々ありました。
それと同時に、「とにかく早く弾いている感を出したい」という気持ちも強く持っていました。なので、音のキレイさ等は後回しにし、荒削りでも“それっぽく”することを目指したのです。
その後慣れていくうちに、自分の指を使って弦を押さえられるようになっていったのです。
また、よく「ギターを弾いていると指が伸びる」と言われることがあります。下の写真を見るとわかる通り、私の指も弦を押さえる左指の方が少し長くなっています。
この事実が詳しく研究され、証明されているかどうかは不明です。ただ、ギターを弾いている方で左手指の方が長いということは、よく聞く話です。
さらに、バレーボール部に背が高くなるとか、バスケットボールをしていると手が大きくなるという話もよく聞きます。こういうことからも、それぞれの環境に応じて体も変化していくことは十分に考えられます。
ですから、私の手もギターを弾くことに指が適応していった結果、このようになったと考えています。
つまり、現段階では押さえにくいと思っていても、慣れと共に出来るようになっていくという事です。慣れるためには、とにもかくにも弾く必要があります。
だから、きちんと押さえられず音がキレイに鳴らなくても、とりあえず気にせず弾きましょう、という事なんですね。
使える指にするストレッチやトレーニング
ここまでの解説で、ギターを弾く上で重要なのは、手の大きさや指の長さではなく、その使い方であることが分かっていただけたと思います。
ここからは、あなたの指を“使える指”にするために有効なストレッチをご紹介します。ギターを弾く時の指には、以下の能力が求められます。
・指の動かしやすさ。
・指の間を大きく開く。
・指をバラバラに動かす。
このような能力を伸ばすことで、コードが押さえやすくなったり、指が使いやすくなったりします。
また、ギターに合う指の開き方を体に覚え込ませることも、大きなポイントになります。これらの能力を伸ばすためのトレーニング方法を順に解説していきます。
指の動かしやすさ
まず指の動かしやすさを伸ばすには、次のようなグーとパーを繰り返す練習が効果的です。
グーをして、パッと開く。これを繰り返します。ポイントは、握る時ではなくて開くことを意識するという事です。この時に握る方を重視すると、指が伸び切らずに中途半端なトレーニングになってしまいます。
パッと開く時に指の動かしやすさが鍛えられるので、パーを目指してやるこのグーパー運動をやってみてください。もちろんはじめはゆっくりで構いません。慣れてきたらスピードアップするとより負荷がかかるので、鍛えられやすいです。
また、やってみるとわかりますが、結構手に負荷がかかります。これを続けることで、指が「ササッ」と動かしやすくなり、瞬発力も付いてきます。これを30~50回やってみましょう。
指の間を大きく開く
次に指の間を大きく開くためのストレッチです。
日常生活ではあまり指をガーっと開く動作をすることはありません。なので、これは意識的に開いてやる事で、トレーニングしていきます。
特に、手の小さな人でも、指さえ開くことができれば、何の問題もなくギターの弦を押さえることができます。ですので、しっかりと開ける指にしていきましょう。
そのための1つ目の方法は、次のように、もう片方の手で強制的に開くという方法です。
お相撲さんのお稽古で股割りというストレッチがあります。股関節をグーっと開くようにするものですが、そのイメージです。指の間の股を割ってやるということですね。
これによって人差し指と中指、中指と薬指、薬指と小指の間を開いてやります。
この時注意してほしいことは、必ず横方向に開くということです。次のように、前後方向に開いても効果が薄いので、横に開くようにしてください。
このストレッチはやりすぎると手を痛めてしまうことがあるので、無理をしないようにしてください。「痛気持ちいい」くらいの、無理のない程度に開くようにしましょう。
この他、指の間を大きく開くためのストレッチ方法には、次のようなものもあります。
それは、太ももを使う方法です。次の写真を見てください。
上の写真のように、太ももに対して手のひらを垂直にし、挿し込んで行くような感じで指の間を割ります。先ほどご紹介した、もう片方の指で開く方法よりも強制力が働くので、より強力に開くことができます。
これを行う場合も、手のひらが横になっていたり、指が前後に開くようになっていたりすると効果が半減します。ですので、手のひらは太ももに対して垂直にし、指が横に開くように意識しましょう。
これでストレッチを行う場合、はじめは太ももの中でも細めの、膝に近い所を使うと良いでしょう。慣れてきたら段々手前に寄せていくと、太くなっていくのでより大きく開くことができます。
特に、中指と薬指の間はなかなか開きにくいので、ここは重点的に行いましょう。
ただ、これも焦って開きすぎては手を痛めてしまいます。そうなると元も子もないので、数週間や数か月単位の長い目で見て地道に続けてみてください。
これらのどちらかのストレッチを練習の前にやると効果的です。
指をバラバラに動かす
次に、指をバラバラに動かす能力を伸ばすトレーニングをご紹介します。
指を1本ずつバラバラに動かすというのも、日常生活にはまずない動きです。なので、これもトレーニングで、バラバラに動かす機会を作りましょう。
そのためのトレーニングの方法ですが、まず5本の指を机の上に立てておきます。こんな感じです。
ここから指で1本ずつ、トントントンと机をたたきます。10回ずつくらいやってみましょう。この時、トントンと動かしている指意外は机についている状態にしてください。次のように行います。
実際にやってみると、薬指が特に難しいと感じるでしょう。私は、初めはフルフルと震えてしまって全然できなかったです。笑
今でも他の指と同様に動かすことはできませんが、高く上げられるようになる必要はありません。他の指のようには上がらなくとも、各指をバラバラに動かせるようになればOKです。
ですから、現時点で全く上がらなくても、少し上げられるようになればOKと考えて挑戦してみてください。
全くできない場合は、まず3回位できることを目指してみてください。それに慣れたら5回、6回…と今の自分に少し負荷がかかるくらいにトレーニングしていきましょう。
このトレーニングで指をバラバラに動かすことに慣れていきましょう。
ギターのフレット幅に慣れる
ギターのフレット幅の感覚に指が慣れることで、ギターは随分演奏しやすくなります。
そのためにできる方法の一つにクロマチックトレーニングというものがあります。
クロマチックとは半音階のという意味があります。ギターのフレットは全て半音違いで並んでいますので、これを順番に半音ずつ鳴らしていくというのがクロマチックトレーニングです。
このクロマチックトレーニングには、いくつかのバリエーションがあります。今回は指を開くことに慣れるために、次のようなものをご紹介します。
まず、6弦1フレットに人差し指を置きます。そこから、次の図で示したように、中指で6弦2フレット、薬指で3フレット、小指で4フレットと順に置いていきます。
次に、その下の5弦に移動して、再度同じように1フレット、2フレット、3フレット、4フレットと置いていきます。
5弦4フレットまで来たら、次はまた1つ下の4弦に移動し、同じように1、2、3、4と指を置いていきます。この繰り返しで、1番下の1弦まで下がっていきます。
この時、可能であれば右手は上から下のダウンピッキングと、下から上のアップピッキングを交互に弾くオルタネイトピッキングで行うと、右手の練習にもなります。
ですが、初めは左手だけでもキツイと思うので、初めは全部ダウンで弾いていただいても結構です。
最下の1弦までいったら、今度はこれを逆方向に行います。
1弦の4フレット、3フレット、2フレット、1フレットを全て押さえた状態から指を1本ずつ離し、各音を順に鳴らしていきます。やり方を次の図で確認してみましょう。
1弦1フレットを鳴らし終わったら、次は1つ上の2弦に指を移動させます。そして2弦4フレット、3フレット、2フレット、1フレットと同じ要領で音を鳴らしていきます。
これが終わったら、次はその上の3弦に移動して…というように、同じ要領で一番上の6弦まで弾きます。
これがクロマチックトレーニングです。
ただ、指の間が十分に開かないうちに、このトレーニングを1フレットから4フレットの場所でやるのはキツイ、という方も多いと思います。その場合は、フレット幅が若干狭い5フレットから8フレット辺りから始めても良いです。その後、徐々に1フレットに下げていくのも良いでしょう。
このトレーニングの十分な効果を発揮するためには、以下の3点に注意して行ってください。
音が途切れないようにする
まず1点目は、「音が途切れないようにする」という事です。
1フレットから4フレットまで弾いたら、次の弦に移動しますが、この時に間が開かないようにしましょう。
つまり、弦を移動する時に止まらないように、全部の音が等間隔で鳴るようにするという事です。
指をばたつかせない
2つ目の注意点は、指をできるだけばたつかせないようにするという事です。
6弦の1フレットから順に上がっていく場合は、人差し指で押さえて、その指を押さえたまま中指を置きます。次は中指を置いたまま、浮かせずに薬指を置きます。小指も同様に置きます。
写真で確認してみましょう。
この時に、前の指を次のように浮かしてしまうのはNGです。
このようにしてしまうと、指がバタバタとしてムダな動きが多くなります。この動きは、ギターを弾くのには向きません。
また、前の指を離してしまうと。隣り合う指がくっついてしまって、指の間を広げるという効果が半減してしまいます。
なので、前の指を置いたまま次の所を押さえるようにしてください。
また、1弦から順に下がってくる場合は、全部指を置いてそこから1本ずつ指を離してくる感じで行います。ただ、こちらの場合は、完璧にそうすることが難しいです。なので、こちらの場合は、“できるだけ指を指板から遠く離さない”という事を意識してみてください。
親指の位置や向き
3点目の注意点は、親指の位置です。
このクロマチック練習ですが、慣れていない内は親指の位置に悩むと思います。
「指の間を広げるぞー!」と力むあまり、人差し指から小指ばかりに意識がいってしまい、親指がおろそかになってしまいがちです。
その結果、次のように親指をヘッド側に向けてしまうなど、ギターを弾く時にふさわしくない指使いになってしまうことがあります。
このようにすると、逆に指の間が開きにくくなります。
ですので、ネック裏に親指の頭が上向きになるように置くようにしてください。次の写真のような感じです。
自然に指を使うためには、この親指の向きが重要です。これが手の使い方として自然な形なので、このようなフォームになるように意識しましょう。
クロマチックトレーニングの効果を十分に得るために、以上のことを意識して行ってください。このようなトレーニングを重ねると、指が徐々にギター仕様になってきます。
もちろん、日々のギター練習でも開くようになってきますから、これは必須の練習という事ではありません。
ですが、少しでも早く指をギター仕様にしたいという方は、ぜひやってみてください。
練習前のウォーミングアップという形で取り入れるのも良いですね。
私は、あまり練習時間が取れない日や、弾きたい曲がないとき等にこのトレーニングを取り入れています。
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手が小さい人用のギターってある?弾きやすいギターは?
「手が小さい人におすすめのギターはあるのか?」という質問をいただくこともあります。
結論から言うと、「手が小さい人にはコレ!」という絶対的な答えはありません。なぜなら、一口に“手が小さい”と言っても、手の形や特性は人それぞれ異なるからです。
手が小さくて心配、という事であれば、自分に合うギターを見つけることが大切です。
ギターと言っても、そのサイズや特徴は様々です。
例えば、下の写真で示した部分を「ネック」と言いますが、ここの太さにも太めのものから細いものまであります。
ただ、手が小さいからと言って必ずしもネックが細いものが良いとも限りません。その質感にも色々なものがあり、それによって握りやすさに違いが出ます。
例えば、ツルツルとした塗装がしっくりとくる人もいれば、サラサラとした質感のものが良いと感じる人もいます。実際にネックを握ってみた上で、これらのことを総合的に見て、できるだけしっくり来るものを選ぶのが良いでしょう。
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まとめ
今回は、手が小さくてもギターは弾けるようになるのか?という事について解説してきました。
・ギターを弾くのに、手の大きさはあまり関係がない。
・大切なのは“使い方”。練習を続けていると、手がギター仕様になってくるので、まずは「とりあえず弾く」ことが重要。
・早くギター仕様の手にするためには、ストレッチやトレーニングが有効。
・ギターを選ぶ際に、できるだけ自分に合うものを選ぶようにすると、その後の練習もしやすくなる。
ギターが弾けるかどうかは、手の大きさよりも手の使い方が肝心です。このことを知っておけば、「手が小さくて挫折してしまった…」という事が避けられます。
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この記事が参考になれば嬉しいです。
B型さん