音楽映画「BEGIN AGAINーはじまりのうた」の評価

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こんにちは!シンガーソングライターのB型さんです。

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映画も、音楽も好き!という人は多いですよね。

私もその1人。

ストーリーも音楽も素敵な映画に出会えたら最高ですよね。

私にも、そんな映画がいくつかあります。

でも、何でこんなにハマっちゃったんだろう?というところまで考えたことがなかったんですね。

今日は、映画「はじまりのうた」についての情報のまとめと感想や評価についてお話してみたいと思います!

作品情報

2013年、ジョン・カーニー監督の作品。

第80回アカデミー賞歌曲賞を受賞した「ONCE ダブリンの街角で」に続く、音楽をテーマとした作品

2016年には、同じく音楽映画の「SING STREET」を発表

ジョン・カーニー監督

さて、こんな面白い映画を作った人はどんなお方だろう…?と調べてみました。

アイルランド、ダブリン生まれ。

アイリッシュロックグループ「The Frames」ではベースを担当し、バンドのライブ映像やPV監督も務めた

なんと、ご自身もミュージシャンだったんですね!

「BEGIN AGAIN―はじまりのうた」あらすじ

キーラナイトレイ扮するヒロイン“グレタ”。

その恋人“デイヴ”役にはMAROON5のアダムレヴィーン。

 

ミュージシャンであり、恋人同士であった2人。

やがてデイヴの浮気により離れることとなった2人は、それぞれの場所で音楽と向き合う生活を送る。

デイヴは飛ぶ鳥落とす勢いで、売れっ子ミュージシャンへとのぼり詰める

喪失感に苛まれていたグレタ。

家族や仕事など、すべてがうまくいかずに自暴自棄になった音楽プロデューサー“ダン”。

グレタは、彼との偶然の出会いをきっかけに新たな音楽生活を始めることに…。

「BEGIN AGAIN―はじまりのうた」の感想と評価

映画では、音楽業界を取り巻く空気感が描かれています。

ミュージシャンやその他音楽に関わっている人たちなら、一度は感じたことがあるような感覚を突いています。

きっとそれは、プロ・アマチュアを問わないもの。

 

「音楽で大切なことって何だろう?」と。

 

私はプロではありませんが、ミュージシャンとして活動しています。

曲がりなりにも、芸術活動をしている身。

自分自身の気持ちを整理し、前に進むために音楽を作っています。

その中で思うことってたくさんあるんですね。

 

歌詞は共感できるわけではない、ノリのいい流行りのポップミュージック。

私自身、そういう音楽を聴くこともあります。売れていることも悪ではない。

 

でも、自分を分かってくれたような歌に出会ったときって泣いたり、嬉しかったりしますよね。

それこそが自分にとって「本物だ!」と思うわけです。

 

そういう音楽こそ広まってほしいという想い。

それとは裏腹に、“消費者”を意識した音楽を発信せざるを得ない現実。

何が正解か?という問いに対しての答えはない。

その葛藤の中にある全音楽人。

 

ご自身がミュージシャンとして活動していたジョン・カーニー氏。

監督は、音楽業界へのそんな閉塞感を感じていらっしゃるのだろうな、と感じました。

 

私のような端くれが偉そうに、って感じだけれど…

何かを製作している人にとっては、リアルな問題。

それを登場人物と一緒に、もがいて考えるようなストーリーに引き込まれました!

物語とリンクする曲の歌詞

音楽映画というだけあって、劇中、たくさんの曲が登場します。

それらの完成度の高さったら…!

アダムレヴィーン演じる“デイヴ”は、いわゆる売れっ子の“THE ポップシンガー”。

このデイヴが歌う音楽は、大衆向けに作られたものを表現してあるのが分かります。

なんというか…歌詞が薄っぺらく、共感できるポイントが…ない。

シーンに合わせた歌なんだけれど、物語の中でなければ「何のこと歌ってるの?」って感じるだろうな…。

でも、メロディーや歌はすごくポップでさわやかで、耳馴染みがとてもいいんですよね。

しかも、あのMAROON5のアダムレヴィーンの歌声ですからね!

一方、キーラナイトレイ演じる“グレタ”の歌は、実体験をもとに作られたものとして登場します。

物語の進行に合わせて、次々に披露される歌は、リアリティを感じます。

それが、デイヴやダンをはじめとする、登場人物たちの心を動かしていくんですね。

デイヴのハイパー歌唱力に対して、素朴でじんわりとしみてくるような声。

それが歌詞と相まって、何度も聞きたくなる作品に仕上がっています。

挿入歌をじっくり聞きたい!サントラレビュー

映画の中だけでなく、音楽をじっくり聴きたい!ということで、映画のサウンドトラックを購入しました。

収録曲をご紹介!

「LOST STARS」

映画の中でも、カギとなる曲

アダムレヴィーンが歌う、アップテンポバージョンと終盤のライブステージでのバージョンが収録されています。

グレタが、デイヴのアコースティックギターに合わせて歌ったものも入っています。

終盤のライブで歌われるこの曲は、映画のラストを盛り上げる演奏と美声に、惚れ惚れとしてしまいます。

グレタバージョンも素敵ですが、やっぱりこれが一番グッときます。

「TELL ME IF YOU WANNA GO HOME」

ビルの屋上でレコーディングされた曲。

仕事も家族もうまくいかず、自殺まで考えた音楽プロデューサー“ダン”。

彼が家族との関係を修復するきっかけとなった曲です。

おまけのボーナストラックには、「ROOF TOP MIX」として、ダンとその娘“バイオレット”のギターソロも入ったバージョンも収録されています

あの、映画の幸せなシーンを思い出します。

「NO ONE ELSE LIKE YOU」

レコーディングスタジオでデイヴが歌っていた曲。

タイトルの通り、「君みたいな人、他にはいないよ!」という歌なのですが…。

アダムレヴィーンが歌っていなければ「なんだこの歌詞は!」と憤慨してますよ!

英語は得意じゃないので、歌詞カード見なければ意味は入ってきません…

だから心地良く聴いています。

「これは戦に行く前に侍が飲んでいたんだよ。」と抹茶を飲むデイヴ。

「おしっこみたいな味!」というグレタ。

…戦に行く前に飲んではいないと思うし、おしっこではないぞ…煎茶にお砂糖入れてしまう方が不思議なんだぞ…。

と思わず突っ込んでしまった日本人です。

「A HIGHER PLACE」

グレタが、デイヴの浮気を悟った曲。

その時々の想い人にすぐ熱烈ミュージックをささげてしまうデイヴの人間性とか、それで悟られてしまうところとか、なんだかおまぬけ…。

これも英語の意味がそんなに入ってこない私は、心地よく聴いています。笑

「LIKE A FOOL」

デイヴに別れを告げるためにグレタが書いた曲で、涙をこらえて歌うグレタの姿にグッと来るシーンです。

留守電に録音するシーンが、私はとてもお気に入り。

ピアノの音も可愛くて素敵ですよね。

私がカバーしたものをYoutubeにアップしています。

良かったら聴いてみてくださいね。

「COMING UP ROSES」

ニューヨークの路地裏で録音される曲

近所の子どもたちのコーラスに感動しました。

レコーディングするときに使う、”ポップガード”ってご存知でしょうか?

発音時に出口から出る余計な音が録音されないように、マイク近くに付ける網のようなものです。

それを針金ハンガーとストッキングで作ったものがレコーディングのシーンに登場します。

いかにもアマチュアミュージシャン、というその演出にキューンときました。

憧れて、家でレコーディングをするときにやってみようと思ったのですが、

とても安くで手に入ったのでやめました!笑

「A STEP YOU CAN’T TAKE BACK」

物語の冒頭で、グレタがライブハウスで歌った曲。

自暴自棄になっていた音楽プロデューサーのダンは、この曲に救われる。

そしてこの曲がまさに物語の「はじまりのうた」となり、物語が始まっていきます

 

ライブハウスでグレタが歌っているときに、マイクが「キーン」とハウリングするんですね。

ライブ経験のある人にとっては“あるある”のあの音は、物語にリアリティをもたらしてくれます

例にも漏れず、私も毎回あの音に引き込まれてしまいます。

その他

ダンを恩人と慕うラッパー、“トラブルガム”の豪邸のプールシーンでバックに小さく流れていた曲、「HORNY」。

そんなところまでこだわりがあったなんて、このサントラを聴くまで気づかなかったです。

 

その他、映画に登場していない音源も収録されています。

 

しかし、個人的には映画に登場した曲だけが良かった…

映画のサントラを聴きながら、何がしたいのかというと、映画を脳内で再生すること。

使用されていない曲が入っていると、「この曲なんだろう?」って現実に引き戻されてしまうから…。

 

ダンとグレタが、片方ずつのイヤホンで、お気に入りの曲を紹介し合うシーン。

そこでは、スティービーワンダーの「For once in my life」をはじめとする有名曲が次々と流れます。

権利の問題とかいろいろあるだろうから、出来ないのは承知の上ですが、

それも一挙に聴けたらなぁ…そんな感想を持ったサントラです。

自分でプレイリスト作るしかないですね!

まとめ

今日は、映画「BEGIN AGAIN-はじまりのうた」についての情報のまとめと感想や評価についてお話してみました。

自分のための“本物の音楽”か、“大衆的な音楽”か。

その葛藤が描かれた作品でした。

音楽自体もとてもいいですし、そういった観点からも楽しめます。

音楽好きな方や音楽活動をしている方に是非おすすめしたい映画です。

是非ご覧になってみてくださいね!

それでは、今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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