こんにちは!シンガーソングライターのB型さんです。
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“ブッキングライブ”ってよく耳にするけど、いったい何なのだろう?
音楽活動を始めると、そんなふうに思うことがあるでしょう。
私もバンドを始めたばかりの時は、それがどのようなライブなのか、あまりよくわかっていませんでした。
しかし、その後何度も出演したり、ライブハウスで働いたりし、その中身と裏を知ることになりました。
今日はその経験をもとに、ブッキングライブとは何かということと、その裏事情をお話してみたいと思います。
もくじ
ブッキングライブとは?
ライブハウスの人が、様々なバンドやグループなどを組み合わせて作るライブイベントを、一般的に“ブッキングライブ”といいます。
「このバンドとこのバンドが、同じ日のライブに出演すると面白いだろうな。」
「この人とこの人は、共通するところがあって仲良くなれそうだな。」
ということを考えて、出演者を決めていきます。
このように、ライブの出演者を組み合わせることを“ブッキングする”といいます。
また、その仕事をする人を“ブッキングマネージャー”や“ブッカー”といいます。
ブッキングライブを企画するときにブッカーが考えること
音楽活動の形態はどうか
ブッカーさんは、数あるアーティストの中から出演者を組み合わせて、ライブ出演者を決めます。
一口に“アーティスト”と言っても、バンドやグループ、一人での活動などその形態は様々です。
その形態の違いも考慮して、組み合わせを考えます。
楽器で生演奏をするバンドやグループもいれば、
カラオケの伴奏をスピーカーから流しながら、それに合わせて一人で歌う方もいます。
また、“弾き語り”といって、自分自身でギターやウクレレなどの楽器を弾きながら歌う方もいます。
自身が楽器で生演奏をしている場合、生の楽器演奏を見たいと考える人がほとんどです。
また、カラオケの伴奏で歌う人は、“ボーカリスト”として活動している人のステージを見たいと考えます。
生演奏をするバンドと、カラオケの伴奏で歌うボーカリストがブッキングしてしまうと、両者とそのお客さん皆が楽しめないということになります。
こういうわけで、活動の形態も考慮してブッキングしていくのです。
音楽のジャンルや雰囲気
音楽には“ジャンル”があります。
ロック、ポップス、ジャズ、フュージョン、ファンク、ボサノヴァ…
このように、音楽のジャンルは実に様々です。
様々なアーティストの中から出演者をブッキングしていくときには、音楽ジャンルの違いも踏まえて組み合わせを考えます。
あなたは、どのような音楽が好きですか?
例えば、ギター弾き語りで、癒されるような音楽が好きだったとしましょう。
そして、好きな癒し系アーティストが出演する、あるライブイベントを見に行きました。
「新しく好きなアーティストに出会えるかもしれない。」と楽しみにしながら会場に向かいます。
しかし、お目当てのアーティスト以外は、すべてハードロックやメタルなどゴリゴリのバンドだった…。
こんな時あなたはどう思うでしょうか?
「新しい音楽に目覚めた!」という人いるかもしれません。
ですが、「…残念だったな。何だったんだろう、あのライブイベントは?」
と思う人が多いのではないでしょうか。
ブッカーさんは、「出演者同士が仲良くなる」ということだけでなく、「見に来る人が楽しめるか」も考えなければなりません。
この点から、ブッキングライブでは、次のようなことを考えて出演者を組み合わせることが一般的です。
・音楽のジャンルが同じか、もしくは近い。
・お客さんの層が似ている。
ライブハウスの裏事情
私は昔、3ピースの女性ロックバンドで活動していました。
そのバンドでブッキングライブに出演した時の話です。
出演者は全部で5組。
そのうちの1組は、静かな雰囲気の曲が中心の、アコースティックギター弾き語りの方でした。
このちぐはぐな組み合わせに対し、出演者みんなが、「どうして同じ日にブッキングされたのだろう?」と感じていました。
後に、自分がブッカーとして働くことになり、その理由が明らかになったのです。
ライブハウスは、毎日ライブイベントを催し、出演者やそのお客さんに来てもらうことで収入を得ています。
ライブイベントのない日は、収入が得られないんですね。
イベントが全くないよりも、何かやる方がいい。
最悪、出演者だけでも来てくれれば、出演料が入る。
だから、頑張って出演者を集めて、なんとかライブイベントを開こうとする。
このように、無理にブッキングライブを開催することがあります。
私は「何がなんでも出演者を詰め込む」というこのやり方が嫌いでした。
なので、自分がブッキングを組むときは、そうならないように心掛けていました。
しかし、駆け出しの小さなライブハウスにとっては、ライブが入るか入らないかは死活問題。
少しでも儲けたいので、少々無理が生じても「やる」という選択をします。
やむを得ず、そのようなブッキングライブを開催することもありました。
そうでないライブハウスも多く存在しますが、私が働いていたような無名のライブハウスの場合は、その傾向が比較的強いでしょう。
バンド時代に「なぜこの人とブッキングしたのだろう?」という疑問の原因はここにあったのです。
良くないブッカーもいる
ライブハウス側の事情だけでブッキングすると、前に述べたような“ちぐはぐ”な組み合わせになってしまいます。
自分が出演したブッキングライブに全然違うジャンルの人が混ざっている。
もしくは「なんでこの人と一緒なんだろう?」と感じる。
このような場合は、出演者やお客さんのことを考えず、ライブハウスの事情だけでブッキングしている可能性があります。
また、内容が具体的でない褒め方をしてくるのも怪しいですね。
本心で良いと思った場合、「こういうところが良かった。」と具体的な内容を添えて感動を伝えますよね。
でも、ライブハウス本位のブッカーさんは、その褒め方が胡散臭いです。
出演者に嫌われたら、次に出演してもらえなくなる=お店の経営にかかわる。
だから良いことばかり言うのです。
そのようなブッカーさんは「次に出演できそうな日はいつか。」ということを気にします。
店の存続がかかっている!と思うあまり、出演者の事情を考慮してくれないのです。
押しの強さに断りづらさを感じてしまうかもしれませんが、
「まだ先の予定が全然決まってないんで!」と断ってしまって大丈夫です。
あなたの今後に影響はないでしょう。
これらの点は、ブッキングライブに出演するときにチェックしておきたいところです。
まとめ
ブッキングライブとは、どのようなものかということと、その裏事情をお話してきました。
活動の形態やジャンルによって、出演者を組み合わせていくというのがブッキングライブ。
そのように、音楽活動を頑張るアーティストを応援してくれるブッカーさんがいる一方で、そうでない人もいる。
「出演者やお客さんの楽しみ」を無視したブッキングライブも存在する。
ということでした。
ブッキングライブの出演を考える際、参考にしてくださいね。
今日も最後までお読みくださり、ありがとうございました!
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