音楽活動のため、ライブハウスに就職した人の末路

Pocket

こんにちは!シンガーソングライターのB型さんです。

音楽活動をしていて、ライブハウスやライブカフェのスタッフになりたいと考えている方は多いのではないでしょうか。

今の仕事は全然音楽に関係ないし、何とか音楽のことばかり考えられる仕事に就きたい…

私もそう考えて、ライブハウススタッフに転職した経験があります。

自分の音楽活動を順調にするための選択でしたが、実際どうだったのか。

今日は私の経験をお話したいと思います。

当時の活動状況

大学3回生から3ピースバンドのギターボーカルとして活動していました。

出来るところまで進みたい!そう思って活動していました。

しかし、大学卒業後、就職でメンバー全員が全国に散らばり、月1回集まって練習することで精一杯という状況。

仕事場と家の往復だけの毎日で、自分の音楽活動のことを考える時間が欲しいと思っていた頃。

知り合いの方がライブハウス経営の計画をしていて、スタッフを募集していたのでそこに転職したのです。

世代間の認識の違いから「大卒でそんな仕事…。」と考える方もいるようですが、私自身は気になりませんでした。

仕事内容

普段は別の仕事をされているオーナーさんから店を借りるという形で経営がスタート。

いわゆるライブハウスというよりは食事もでき、昼間はカフェとしても営業しているというところでした。

経営者を中心に0からのスタートを切ったライブハウス「G」。

開催するイベントを考え、出演してくださる方を探すということに力を入れていました。

また、飲食店の一面を持っていたので、提供する食事やドリンクメニューやその経費を考えることもしました。

ライブやイベントの日は受付、ドリンクスタッフも担当しました。

ブッキングスタッフとしての苦楽

私はブッキングスタッフとしてお仕事をさせて頂くことになりました。

1からのスタートだった初めのころは、音楽活動をしている人を探し、ネットで片っ端から宣伝をしていきました。

この方法は心が無いようであまり好きではなかったですが、知ってもらわなければという一面もありました。

実際このやり方を好まないミュージシャンの方はたくさんいらっしゃいます。

それを反映してか、最近は出演依頼の方法が巧妙になってきたように思います。

休みの日を含め、来る日も来る日も出演者探しをしなければならない。

これでは自分の音楽活動に費やす時間を増やすことはできません。

 

そんな中でも、ブッキングスタッフとして「いいな」と思う方に出演して頂きたい!という気持ちがありました。

やりがいや楽しさを感じられたのは、自分の好きなミュージシャンの方々にご出演いただけるようになってきた頃でした。

 

ただ、オーナーの好みとのギャップもあり、折角来ていただいた方にも申し訳ない気持ちになることが本当に苦しかったです。

 

音楽のことを考えるための転職。

しかし、同じ音楽でも「音楽を聴いていたい」のか「自分の音楽活動をしたい」のか「音楽活動をするミュージシャンを応援したい」のか、目的は様々だと思います。

ここを深く考えずに行動していたと反省しています。

 

たくさんのミュージシャンと知り合うことが出来るのは良い点でしたが、

あくまでライブハウスの店員と演者という関係だったため、自分の音楽活動が変わるほどの広がりにはならなかったです。

 

利用してもらわなければ成り立たないということで、演者さんとの駆け引きをするようなこともありました。

もちろんライブハウスというのは慈善活動ではありませんし、れっきとした“商売”です。

お金がなければ経営が成り立たないし、成り立ってこそミュージシャンを応援することもできる。それは理解できます。

しかし、悪く言えば“商売”として他人の音楽を利用するという面もあると感じました。

ひとりの演者として、ミュージシャンとして、ここは本当に胸の痛むことでした。

そうして私は退職を決めたのです。

お金の稼ぎ方を考える

このような経験をして学んだことがあります。

それは、どのような方法で“お金を稼ぐ”のか考えなければならないということです。

 

「自分はこれだけ頑張った!」と自分を評価することが出来る。

その上で、ありがたくお金を受け取れることが大切だと考えています。

 

お金を気持ちよくいただくことが出来なければ、後ろめたい気持ちを常に持ち続けなければなりません

それってとても苦しいことだと思うのです。

お金を気持ちよくいただける基準は人それぞれ違います。

 

私には、ブッキングスタッフは向いていないと感じました。

けれど、新しいミュージシャンの発掘したい!とか経営についてを勉強したい!という方にとってはこれが気持ちよくお金を頂ける仕事になり得るとも思います。

 

その仕事についたら何ができるのかをよく考えて仕事を選ぶ必要があると考えています。

就職活動の時にはそういうことを考えていたのに、音楽の世界になると別物のように感じてしまうんですね。

同じです。

 

さいごに

ライブハウスの店員、ブッキングスタッフとして働いた経験を通して、このような考えに至りました。

この経験があったからこその今なので、無駄だったとは思いません。

ただ、「音楽をやっている人って、ライブハウスで働く人多いよね。」というような考えだけでライブハウスへの就職を決めるのは安易だと思います。かつての私にそう言ってやりたい。

会社に勤めることが納得してお金の稼げる方法と考えるならば、サラリーマンとして働く傍らで音楽活動をしたって良い。

そうやってデビューする人もいます。不可能なことではないのです。

いま、ライブハウスへの就職を考えているあなたに。参考になれば嬉しいです。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

   
関連ページ