こんにちは!シンガーソングライターのB型さんです。
オリジナル曲を作っていて、作詞のレベルを上げたいと考えている方は多いでしょう。
思っていることをもっと分かりやすく、詩的に表現したいのに、なかなか良い言葉が思い浮かばない…
私もそんな壁によくぶち当たります。
この問題に対して悩んでいるとき、小さい頃から「本をたくさん読みなさい」とあちらこちらで言われたことを思い出しました。
読書の習慣がついた今、作詞で言葉が出てこなくて困るということが随分と減ったと感じています。
そこで今回は、作詞の勉強や上達に読書が効果的である理由について述べてみたいと思います。
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語彙力を鍛える
読書をすることで鍛えられる力の1つ、“語彙力”。
“語彙”は、簡単に言えば言葉のことですから、
“語彙力”というのは「どれだけの言葉を知っているか、それをいかに使いこなせるか」ということです。
「想いを自分の心が感じているままに表現したい。」これが作詞家の目指すところだと思います。
詞は言葉の集まりですから、この“語彙力”を鍛えなければなりません。
ある“感情”を表すために、いろいろな言い換えが出来る必要があります。
例えば、「かわいい」という言葉。
赤ちゃんを見たとき、友達と買い物をしているとき、ゆるキャラを見たとき…など幅広く使われますね。
しかし、これらの状況ですべて全く同じ感情を抱いているとは言えないのです。
赤ちゃんを見たときとゆるキャラ「ふなっしー」を見たとき、全く同じ「かわいさ」を感じていると思いますか?
赤ちゃんを見たときは、守ってあげたくなるような、純粋無垢な可愛らしさを感じていると思います。「愛くるしい」という感じでしょう。
一方、ふなっしーのかわいさとはどういったものでしょうか。
「キモかわいい」という言葉が表すように、怖いけどつい見てしまって「癖になる」というところではないかと思います。
私自身、買い物の時には、様々なモノ見て「かわいい」を連発していることがあります。
けれども、伝統的な和柄の小物を見て「かわいい」と言うときは「粋だなぁ!」というようなことを感じているのだと思います。
フリフリレースの服を見るときは、ディズニープリンセスのような「華やか」さを感じて「かわいい」と言っているのだと思います。
このような言い換えができないと、それぞれ別のことを感じていても、全て「かわいい」という形容しかできないことになります。
作詞においてどのような問題が出てくるのでしょうか。
あなたの書く想いが、あなたが思うよりはるかに聞き手に伝わらないということが起こります。
例えば小説。
読者を小説の世界に引き込むために、作者は登場人物の細かな心情を、言葉を尽くして描きます。
ストーリーを楽しみながら、生々しい“生きた表現”を学ぶことが出来るのです。
気持ちへの感度を上げる
作詞をする、というのは“気持ち”を表現することです。
ですので、自分の気持ちやその動きに敏感であればあるほど、詞のネタを思いつくことが出来ると考えています。
小説には、登場人物の様々な気持ちが描かれています。
それを読むということは、自動的に“人の気持ちに目を向ける”ことになります。
この人物が何を考えて、どう感じているのか。
そんなことを考えながら読んでいると、自分の気持ちにも敏感になってきます。
「あ…この前読んだ小説のあの人物の気持ちってこういうことかも…!」こんな経験がありませんか?
このように感じることが出来るのは、自分の気持ちに目を向けられている状態だからだと思います。
今まで自分が気づいていなかった感情の発見にもつながります。
本を読むことで人の気持ちに目を向ける癖が出来ます。
それが歌詞で気持ちを描く原動力にもなります。
言葉の感度を上げる
作詞をするうえで、言葉に敏感になることはとても重要です。
自分の使った言葉が、本当に言いたいことや想いを忠実に表すことが出来ているかどうかを俯瞰して見ることはとても大切です。
「やっぱりこの言葉では物足りないから、もうちょっとしっくり来る言葉がないか考えてみよう。」
ということを繰り返すことで、歌詞を自分の感じていることに近づけていくことが出来るようになります。
そのためにはまず、選んだ言葉に対する“違和感”に気づくことが出来なければなりません。
それができるかできないかの違いは“言葉に対する感度”だと思います。
本を読んでいると「この表現いいな!」「この気持ちってこういう言葉で表すのがぴったりだな。」と思うことがありますね。
本を読んでいるときというのは、言葉に対するアンテナが張られた状態です。
まさに、言葉の感度が上がった状態になるのです。
このことからも、読書が作詞の勉強や上達に必要だといわれるのがよくわかると思います。
本を読むということで、常に言葉に触れている状態を作り出すことが出来ます。
1回読んだから終わり、ではない
作詞の上達に読書が効果的であるということは、おわかりいただけたかと思います。
本を読めば良いんだということで、1冊読みます。けれども、それで終わりではないのです。
本を読むことが癖づいていない時は1回読んで終わってしまうということがあるかもしれません。
一度読んだことが無に帰るということはありませんし、言葉の知識は蓄積されていくでしょう。
しかし、“感度”の点から言うと、1度読んで終わるのでは効果が薄れていってしまいます。
しばらく言葉に触れていないと、言葉に対する感度は下がります。
気にしていたことを、一度気にしなくなったら忘れてしまいますよね。
同じように、言葉を気にすることをやめてしまうと気にならなくなっていくのです。
鈍感になるのですね。
音楽活動をしていると、作詞を継続的にしなければならない状況があると思います。
人の気持ちや言葉にいつも敏感であることが求められるでしょう。
このことから、読書は生活の中でぜひ癖づけて欲しいと思います。
どんな本を読めば良い?
読書の大切さは分かったけど、どのような本を読めば良いのだろう?と思うかもしれません。
難しい言葉を使うことが目的ではありませんので、無理に難しい本を読む必要もありません。
話題の小説でも良いですし、自分が直感で読みたいと思ったものでかまいません。
長い話を読むことに慣れていなければ、詩集や絵本もいいと思います。
要するに、言葉に触れている状態が大切なのです。
まとめ
今回は、作詞の勉強や上達のために「語彙力の向上」と「気持ちと言葉への感度」という観点から読書の必要性を解説してきました。
読書には、実際に会わずして、たくさんの人や価値観に出会える楽しさがあります。
楽しみながら、自分の作詞技術を挙げることが出来る方法です。
私は、人との普段のコミュニケーションにも役立っていると感じています。
是非、まず1冊読んでみてくださいね!
最後までお読みいただきありがとうございました!