こんにちは!シンガーソングライターのB型さんです。
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歌詞を書きたいけど、テーマは何にすればいいんだろう?ネタがない…と悩むことがありますよね。
そんな時には「負の感情」に目を向けると良いです。これによって、テーマを決めやすくなります。
今回は、なぜ「負の感情」が作詞のヒントになるのか?について解説していきます。
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「負の感情」に目を向けると良い理由
歌詞のテーマに迷った時は、「負」の感情に目を向けてみましょう。「負の感情」とは、寂しい・悲しい・つらい…などのような、マイナスイメージの感情のことです。このような感情に目を向けると、テーマとなることが見つかりやすくなります。
私自身も、自分の曲の7~8割くらいは、この「負の感情」からテーマを考えています。例え内容が明るいものであっても、「コンプレックス」や「寂しさ」などから、テーマを見つけてくることがほとんどです。
例えば、歌詞のテーマとして定番のものに「失恋」があります。これは演歌から最近のJ-POPに至るまで、歌われ続けてきたテーマです。
この「失恋」は、負の感情を表す代表的なものと言えます。これが、なぜここまでの定番になったのかと言うと、テーマにする人が多かったからです。
ではなぜ多いのかと言うと、多くの人が、失恋した時の「悲しい!つらい!」という気持ちを「誰かにわかってほしい」と考えるからではないでしょうか。
あなたは、嬉しい時と悲しい時、どちらの場合に共感してもらいたいでしょうか。確かに、「美味しい!嬉しい!」というポジティブな感情も誰かと共有したくはなります。ですが、それは共有できなくても、多くの人は平気ですよね。
これに対して「悲しい、苦しい」という感情は、他人に聞いてもらうなど、何かしらの発散をしないと辛くてたまらない気分になりますよね。
このことから、悲しいときのような負の感情の方が、外に放出するエネルギーが大きいことがわかります。
そのため、歌詞のテーマになりやすいんですね。さらに、このようなものをテーマとすると、歌詞自体も書きやすいことが多いです。実際、「明るく、楽しい、最高!」みたいな歌よりも、「負の感情」を扱ったものの方が多いですよね。
このようなことから、「負の感情」に目を向けることで、テーマが見つかりやすくなると言えるのです。
昔から人気のテーマ「負の感情」
日本には古くから、自分の感情を伝える方法として「和歌」というものがあります。お正月にやる「百人一首」のものが特に有名です。こんなのですね。
この「和歌」は、相手に気持ちを伝える時や、共感を呼びたい時などに読まれたものです。ここは、現代の歌と共通する点です。
この「和歌」を見てみると、失恋以外の「負の感情」のものがたくさんあり、参考になります。今回は「百人一首」の中から、2つの例をご紹介したいと思います。
まずは、美人の代名詞である小野小町さんの作品です。
花の色は移りにけりな いたづらに わが身世にふる 眺めせしまに
これは、
春の長雨で桜の花が色あせてしまったのを見て、「同じように、いろいろ思い悩んでるうちに私も老けていくんだわ…むなしいわぁ…」
みたいな意味です。
ここで書かれているのは、「虚しい」という負の感情ですね。
もう一つ見てみましょう。
忍ぶれど 色に出でにけり 我が恋は 物や思ふと 人の問ふまで (平兼盛)
これは
自分では隠し続けてきたつもりだったのに、「恋してるんでしょー??」なんて他人に聞かれるくらいに、顔にも素振りにも出ちゃって…あぁもうヤダ、恥ずかしくてたまらない…!
みたいな感じです。こちらは、「恥ずかしい」という感情ですね。
これらの例のように、失恋以外の「負の感情」を歌ったものも数多くあります。このようなものは、やはり明るく楽しい物に比べて圧倒的に多いです。
このことから、昔から「負の感情」が表現のテーマとなることは定番だったことがわかります。
このような「負の感情」は、あなたの日常にもたくさんあるはずです。例えば失恋もそうですね。その他、受験生の苦しみや友達とのケンカ、自分の性格のここが嫌…など、思い返してみると色々挙げられるでしょう。
ですので、歌詞のテーマで困った時は、ぜひ自分の中にある「負の感情」に目を向けてみましょう。
まとめ
ここまで、歌詞のテーマを決める時のヒントとなる「負の感情」について解説してきました。
・テーマに迷ったときは、自分の中にある「負の感情」に目を向けてみる。
・和歌の時代から、「負の感情」は定番のテーマ。
このことを知っておくと、歌詞のテーマを決めやすくなります。さらに見つけた「負の感情」をメモしておけば、次の歌詞を書く時のテーマ探しに役立ちます。
最後までお読みくださり、ありがとうございました!
B型さん
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