心に響く恋愛ソングの歌詞を書きたい!考え方とコツ

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こんにちは!シンガーソングライターのB型さんです。

“恋愛”は、歌のテーマとして人気です。

それだけに、自分らしさを出しつつ誰かの心に響く歌詞を書くとなると…頭を悩ますところですよね。

今まで歌詞を書いてきて、そしてたくさんの歌を聴いてきた中で分かってきたことがあります。

今日ご紹介する考え方とポイントを押さえることで、自分の歌に“個性”を出せるようになったと思います。

今回は、心に響く恋愛ソングを書くコツについてお話ししていきます。

↓この記事の内容を動画でも解説しています。画面中央の再生ボタンを押してご覧ください。

自分だけの表現を見つけよう

  

一口に“恋愛”と言ってもそこには色々な感情があります。

同じ「好き」という気持ちでも、人によっていろんな表現ができるわけですよね。

例えば、「死ぬほど好きだ」という人もいますし、「涙が出るほど好き」というのもありますね。あえて「好き」と言わずに「一緒にいたい!」という人もいるかもしれません。「食べてしまいたいくらいに好き。」というような、奇妙な表現もあります。

ここに挙げたものは、よくある表現ですが「好き」ということだけでも、その表現方法は十人十色。

それだけ色んな表現ができるということです。

あなただけの表現を見つけるということが、心に響く詞を考える上では必須になります。

自分だけの表現というと他の人に伝わらないのではないかと心配になるかもしれません。

けれど、みんなに当てはまるような言葉では、誰にとっても印象深い言葉にはならない可能性が高いのです。

反対に、自分にしかわからないようなことが歌詞に描かれていると、当てはまった人にとっては非常に印象深いものとなります。

そうなれば、その人にとってあなたの歌が大切な“心に響く”歌となることでしょう。

脳内告白をしてみよう

どうすれば自分だけの表現が見つけられるのでしょうか。

その方法として、脳内告白をしてみることを提案してみたいと思います。

あなたはBくんに告白を考えている、としましょう。

どうやら同じクラスのかわいいCさんも、Bくんにそろそろ告白するかもしれないという噂…。あなたは焦っています。なんとしても負けたくない!自分の方がBくんのことが大好きだ!!と思っています。

こんな時あなたは、Bくんにどんな言葉で気持ちを伝えますか?

脳内でBくんに告白してみましょう。

「好きです。」という言葉の後にどんな言葉を続けますか?

「好きで、好きでたまりません!」というのもいいと思いますが、

たぶんCちゃんも同じことを言えるでしょうし、こんなに好きなのは自分だけだ、というアピールをするには少しインパクトに欠けます。

Cさんには言えないようなことを言ってみるのはどうでしょうか

Bくんと自分の間で起こった出来事や、会話で楽しかったこと。それに対して思ったこと。

また、家でどんなふうにBくんのことを考えているのか。

Bくんと仲のいいAさんに嫉妬してしまうとか、本当は毎日一緒に帰りたいとか…。

自分だけのエピソードでCさんとの“違い”を際立てせることが出来るのではないでしょうか。

※あくまで脳内告白の話です。実際の告白テクニックの話ではありませんのでご注意ください。

どうでしょうか。

ここで考えたフレーズやネタの中に、あなたの恋愛ソングの歌詞の一部として使えそうなものはありませんか?

使い古された言葉を避ける

曲がりなりにも詞を書いている身として、誰かが既に使った言葉を自分の表現として使用するのは悔しいと感じます。

基本的には「よくある言葉や表現」を避けるという姿勢で個性を出そうと考えています。

自分が新しい表現を作り出すのだという気持ちで作詞をしています。

”心に響く”歌詞を書く際に大切な考え方だと思いますので、使い古された言葉を避けて、一度作詞してみることをお勧めします。

例えば、先ほど例に出した「死ぬほど好き」という言葉。使われ始めた当初は新鮮だったかもしれません。

しかし、今となっては使い古されて、聞き手がわざわざ意味を考えることのない、ただのフレーズと化しているように思います。

「死ぬほどって、どのくらい?」と思いませんか?

「好きすぎて言葉にならない」というのも、定番になり過ぎてしまった感じがします。

これに対しては「言葉にならないところを何とか言葉にして伝えてほしい…」と思ってしまいます。

“心に響く”というのは、感動している状態で、思わず感じ入ってしまうことです。

歌詞に対して突っ込むなんて悪趣味だと思われるかもしれませんが、聞き手に「どういうことだかわかりません」と冷静に突っ込まれるというのは“心に響く”状態とは言えません。

ですので、こういったことをできるだけ避けるために自分が書いた詞に対しても「これはどういうこと?」とツッコミを入れる作業をすると良いと思います。

歌というのは”気持ち”や”感情”を表現するものです。

ですから、感情を表現する部分では、特に使い古されて聞きなれてしまった表現を避けたいですね。

使い古された言葉の使い方

時と場合、あるいは人によっては「死ぬほど好き」というような、使い古された言葉を使う方が良いこともあると思います。

その場合は「好き」という気持ちを別の言葉でも表すと良いと思います。

そうすることで、使い古された言葉でも「死ぬほど好き」がどういうことなのかが伝わりやすくなります。

聞き手は状況をイメージしやすくなり、「死ぬほど」が深みを増すという効果があるように思います。

例をひとつ挙げてみましょう。

「時給800円」というグループをご存知ですか?

芸人の遠藤章造さん、品川祐さん、タレントの八嶋智人さんの3人のグループです。

彼らが2003年に「死ぬほどあなたが好きだから」という作品を発表しました。

その歌のサビに「すきで、すきで、死ぬほどすきで みじめな程まだ すき過ぎて」とあります。

死ぬほど好きだということですが、どういうことか。

その次にみじめな程、気の毒になるくらいにまだ好きなんだと言っています。

好きな人を想いすぎる自分がみじめで死んでしまいそうなんだ…。と何となく主人公の表情が浮かんでくるのではないでしょうか。

使い古された言葉は、このように意味を補ってあげるという使い方をすることで

また新たな表現を生むことができるのではないでしょうか。

B型さんの歌で補足説明

私が数年前に書いた曲に『0にならない間』というものがあります。

――――――――――――――――――

『0にならない間』 B型さん

私は小学生のあなたを知らない

私は中学生のあなたの声を聞いたことがない

私は高校生のあなたの恋を知らない

つまりはあの子が知ってるあなたを知らない、ってこと

いつもそばにいて いつも全部知ってると思ってた

アルバムは見た、でもあなたはどうやって笑ったの?

手を繋いだら 縮まると思ってた距離

重ねた手のひらの中で 生まれてしまった想い

0にならない間

指輪なんて 相当バカらしく思えた

知らない過去を埋め合わせ“絆”と呼んでるだけのもの

泣きたい、でも泣けない

泣きたい、でも涙は出ない

やり場のないこの寂しさ どうやって消すの?

手を繋いだら 縮まると思ってた距離

見えない誰かを想って苦しくなっていく心臓

0にならない記憶

手を繋いだら 縮まると思ってた距離

重ねた手のひらの中で 生まれてしまった想い

手を繋いだから 浮かび上がってきた感情

あなたの過去の日常に私も存在したかった…

0にならない間

――――――――――――――――――

晴れてカップルとなった男女。

嬉しくて楽しい毎日が過ぎていく中で、主人公の女の子の心に“恋人の過去を知っている人に対する嫉妬”という新しい感情が芽生えます。

どうにもできないその感情に主人公の女の子は苦しんでいる…というストーリー。

自分らしさについて

「好きな人のすべてを知りたくなってしまう」という心に焦点を当て、恋人への好意を表現してみました。

AメロBメロでは、主人公の気持ちに触れました。

満たされない気持ちを”愚痴”のように並べ、主人公の言葉として表現したところに私らしさがあるのではないかと思っています。

使い古された表現について

カップルになることを「付き合う」というのは直接的で、詞的ではないように感じました。

そこで「手を繋ぐ」という表現をしました。

「手を繋ぐ」というフレーズは、よくある表現ですね。いわゆる“使い古された表現”と言えるでしょう。

他の言葉を考えましたが、”付き合っている”という状態を一言で示せることと、

聞きなれたフレーズだからこそ聞き手がイメージしやすいのではないかとの考えから「手を繋ぐ」という表現を採用しました。

このことから、”感情”ではなく”状態”を指す言葉には、聞きなれた言葉を使うことで場面をイメージしやすくなるのかもしれないと思いました。

まとめ

心に響く恋愛ソングを作る際の考え方とコツとして、「自分なりの表現や言葉を探す」ことや「使い古された言葉を避ける」こと、もしくは「そこに自分の言葉で具体性を持たせること」をご紹介してきました。

このポイントを押さえるだけでも、自分らしさがグッと増すことでしょう。

詞には絶対的な正解がありませんので、私の考えが正解!というわけではないと思います。

ただ、歌詞にもっと自分らしさを出したいが、突破口が見つからないとお悩みの方にとってのヒントになるかもしれないと考えています。

是非、参考にしてみてください。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

   
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