ギターの“ブラッシング”というテクニック。リズム感を表現でき、とても心地よいテクニックです。
今回は、この「ブラッシング」のやり方と注意点を解説していこうと思います。
この記事の内容を動画でも解説しています。画面中央の再生ボタンを押してご覧ください。↓
ブラッシングとは?
まずは、ブラッシングの音を確認してみましょう。次のようなザクザクとした音です。↓以下の青文字を押して聴いてみてください。
ギター専用の楽譜「TAB譜」では、次のようにバツ印で表記されます。

アコースティックギターの場合は上の音声のように、「ジャクジャク」「ジャッジャッ」という感じの音になります。ちょうど、下の写真のようなデッキブラシで、お風呂の床を掃除する時のようなイメージの音ですね。

エレキギターだと「ツクツク」というような音が出ますが、基本的なやり方は同じです。
この「ブラッシング」は、まずは指や手を弦に触れさせ、音が「ジャン」と鳴らない状態にします。このようにすることを”ミュートする”といいます。
その状態で弦を弾くことで「ザクザク」とした音程感のない音が出ます。
このことから「ブラッシング」は打楽器的なリズムを表現するのに適したテクニックと言えます。
具体的にどのようなイメージで使えるかを確認して見ましょう。次の動画の初めの部分と3:13~の箇所で、ブラッシングを使っています。
このように「コードを鳴らさずに、リズムだけ表現したい場合」に使えるテクニックです。
ただ、このブラッシングには、やり方が大きく分けて2つあります。それは”ミュート”を左手でやる方法と、右手でやる方法です。
これらを順に解説していきます。
左手でミュートするブラッシングのやり方
まずは、左手でミュートをするブラッシングのやり方を解説します。
次の写真のように左手を弦に軽く触れさせ、音が鳴らないように”ミュート”の状態にします。

この時、グッと弦を押さえてはいけません。押さえてしまうと「ジャーン」と音が響いてしまうからです。あくまで「軽く触れさせる程度」です。
その加減を次の写真で確認してみましょう。

左の写真では、指とギターの間にすき間が見えていますよね。このように「指が弦には触れていて、指板からは浮いている状態」にすると、”ミュート”になります。
加減が分かりにくい場合は、まずはどこも押さえずに「ジャーン」と鳴らしてみてください。その響きを左手で止めてみましょう。それがミュートの加減です。
次に、そのまま右手で弦を弾きます。そうすると、下の音声のような「ジャッ」「ジャクジャク」という音が出ます。↓以下の青い文字を押して、聴いてみましょう。
これが基本のブラッシングです。
右手でミュートするブラッシングのやり方
先述の左手でミュートする方法の他に、右手でミュートをする方法もあります。ミュートする場所は、ギターのブリッジあたりです。ブリッジとは、下の写真の青四角で示した部分です。

この”ブリッジ”あたりを右手の手刀部分でチョップするように、手を置きます。次の写真のような感じです。

この状態で弦を上から順に弾くと、ザクザクとしたブラッシングの音がします。
動きが速くて見えにくいですが、「右手でチョップした直後に弾く」という流れで行っています。
この右手を使う方法は、上から下の「ダウンピッキング」の動きの時だけミュートすることが出来ます。
ブラッシング時の左手ミュート・右手ミュートの使い分け
左手でミュートする場合
ここまで解説してきた通り、ブラッシングでは左手でミュートする場合と右手でミュートする場合があります。これらはどのように使い分けられるのでしょうか。
左手でのミュートを使うのには、2つの場合があります。1つ目は、コード等鳴らす必要がなく、次のように左手全体を弦に触れさせたフォームを作れる時です。

2つ目は、バレーコードの前後でブラッシングを鳴らす時です。バレーコードとは、左手の人差し指で6弦から1弦にかけて押さえる形のコードです。
具体的なパターンとしては、次のようなものが考えられます。

ブラッシングを示す「×」とコードを表す数字が交互に書かれています。これは、プラッシングとコードを交互に鳴らすことを指示しているものです。
このように、コードを鳴らす合間にブラッシングを入れてリズムよく演奏することをカッティングと言います。
このカッティングのパターンで使われているコードを実際に押さえてみると、次のようになります。

このフォームのまま、各指を浮かせる→押さえる→浮かせる…と弾くことで、上のTAB譜のパターンになります。実際に演奏したものがこちらです。↓
左手指の動きに注目すると、押さえたり浮かしたりしていることが分かりますね。
右手でミュートする場合
ブラッシング時に左手でミュートすることが出来ればそれでOKです。
ただ、左手でミュートができないパターンもあります。例えば、次のようなパターンです。

ブラッシングの記号の間に、コードが挟まれている点では、先ほどの例と似ています。
違うのは「0」が含まれている点です。「0」というのは、どこも押さえずに開放弦を鳴らすことを示したものです。これを実際に押さえたものがこちらです。↓

この写真から分かるように4・3・2弦はどこも押さえていません。どこも押さえていないという事は、押さえている所だけ指を浮かせても、開放弦は鳴ってしまうという事です。
つまり、指を浮かすだけではミュートにならないのです。このような場合、右手でのミュートを使うことになります。
上のTAB譜のパターンを弾いてみると、次のようになります。
このように左手と右手でのミュートを使い分けています。さらに、ミュートの確実性を上げるために、右手と左手でのミュートを併用して用いることもあります。
ブラッシングのコツ・注意点
ミュートする左手の力加減は“軽く触れる”程度
まず1つ目の注意点は、ミュートをする左手の力加減に注意!ということです。
力が強すぎると、ミュートではなく、弦を押さえていることになってしまいます。そうすると、弦の音など、何かしらの音が「ジャン」と鳴ってしまいます。
また、押さえる力を弱めようとして、弦から手が離れてしまっていてもいけません。この場合も「ジャン」と音が鳴ってしまいます。これでは「ブラッシング」の音になりません。
あくまで、弦に“軽く触れさせる”くらいの力加減でミュートしましょう。そうすれば、「ジャクジャク」や「ジャッ」という正しい音になります。
この力加減がよくわからない人は、色々な強さでミュートして弾いてみましょう。「ジャクジャク」や「ジャッ」という音が出たその時が、正しい力加減ということになります。
ミュート時は「ハーモニクス」が出ないように注意
2つ目の注意点は、「ハーモニクス」という音が鳴らないようにする、ということです。これは、「ポーン」や「ポンポン」という優しい音が出る、ギターのテクニックの1つです。
このような音は、特定の場所(フレット)で、弦に指を軽く触れさせることで出ます。ハーモニクスが出てしまっているブラッシングは、次のようなものです。
↓以下の青い文字を押して、聴いてみましょう。
これはこれで使えますし、場合によっては、あえてこの音を出すこともあります。ただ、狙っていない場合はこのような音が鳴らないように注意が必要です。
この音が出てしまう原因は、「ミュートする右手の力加減が弱い」かつ、「触れているところがハーモニクスが出やすい場所である」という事です。この”ハーモニクスが出やすい場所”とは、5、7、12フレットです。他にもありますが、基本的にはこの辺りだと覚えておいてください。
これを防ぐためには、やはり力加減が大切です。例えハーモニクスが出やすい場所をミュートしていても、正しい力加減でミュート出来ていれば問題ありません。ですので、ブラッシングは「ミュートする力加減」が重要なポイントと言えるでしょう。
リズム感を大切にする
3つ目の注意点は、リズム感を大切にするということです。
先述の通り、「ブラッシング」は打楽器的なリズムを表現するのに適したテクニックですから、正確なリズムが求められます。
また、このテクニックは通常のストロークの中にブラッシングが混ざり込んで登場することが非常に多いです。これは先ほど解説した「カッティング」というテクニックですが、このテクニックは、ブラッシングが確実な場所に入れられてこそ心地よく感じます。
何となくブラッシングを入れるのではなく、入れどころを確実に把握した上で、リズムよく演奏しましょう。
尚、カッティングについては「アコギでカッコよく!ギターのカッティングとは?やり方や練習フレーズ」で詳しく解説しています。
まとめ
ここまで、ブラッシングのやり方と注意点について解説してきました。
・左手指を全ての弦に軽く触れさせ、そのままジャカジャカと弾く。
・右手でミュートする場合は、手刀部分でブリッジをチョップした直後に弾くとブラッシングの音が出る。
・左手指全体で弦に触れられる場合と、バレーコードと合わせて登場する場合は左手でミュートが可能。
・開放弦を含むコードの場合は右手でのミュートが必要になる。
・ミュートの力加減や場所に注意し、リズムよく演奏しよう!
是非練習の参考にしてみてくださいね。
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この記事が参考になれば嬉しいです。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!
B型さん