こんにちは!シンガーソングライターのB型さんです。
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セッティング表の書き方が、今ひとつよく分からないという人は意外と多いのではないのでしょうか。
「PA表を書いて提出するように言われたけど、これであっているのかな?」
私もそんなふうに思っていました。
分からないところは空欄にしておく…そんなこともありました。
でも、それではせっかくのセッティング表を有効に使えていないことに気が付いたのです。
PAさんやステージのセッティングをしてくれるスタッフさんに、リハーサル時、「○○はこうしますか?」と度々聞かれていたからです。
“セッティング表”という、伝える手段があるのにも関わらず…。
今日は、スタッフさんに自分の要望をきちんと伝える、セッティング表PA表の書き方を解説します。
もくじ
セッティング表、PA表とは
ライブ出演するときに、”セッティング表”または“PA表”と呼ばれる資料を提出します。
多くの場合、このような指定の用紙を渡されます。
当日までの提出を指示されることもあります。
ライブハウスのブッキングライブなどでは当日に手渡されることが多いですね。
ステージをどのように使うのか?演奏する曲はどのようなものなのか?
ということをスタッフさんに伝える為にあります。
これを見て、音響を担当するPAさんやスタッフさん、照明さんがライブをする環境を作っていきます。
セッティングをしてくれるということですね。
基本的には、以下の3点を記入します。
・ステージのセッティング図
・演奏曲、曲順について
・照明について
会場によって記入事項が多いこともあります。
リハーサルが始まるまでに提出するのが望ましいです。
リハーサルの方法については「バンドのライブでリハーサルをやる意味は?流れと基礎知識」で解説していますので、是非ご覧ください。
“セッティング表” ”PA表”の書き方
今日は、架空のバンド“B band”のセッティング表を記入例として書いてみました。
バンド名にはフリガナを打ちましょう。
SE
赤マル部分にSEという項目があります。
SEとは、ステージへの登場の際に流す音楽の事です。
なければ、ライブハウスで用意した音楽が流れます。
「あり」という場合。
ステージへの登場の際に使いたい音楽があれば、その音源をあらかじめCDに入れて持参します。
掛け間違い防止のため、CDには1曲だけを入れることをおすすめします。
CD盤にマジックで、以下のような情報を書いておきましょう。
・バンド名
・流す曲のトラック
・流す時間 (例:~30秒)
他の出演者さんのものと混ざっても、わかるようにきちんと書いておきましょう。
ステージのセッティング図
記入の例はこちら。
丸に囲まれたDr、Ba、Gt、Voは、それぞれパート担当者の立ち位置を示しています。
Dr→ドラマ―
Ba→ベーシスト
Gt→ギタリスト
Vo→ボーカリスト
ベースは「B」、ギターは「G」と書くこともあります。
その他、キーボードなら「K」や「Key」、ギターボーカルなら「Gt.Vo」のように書きます。
これらを〇で囲むことで、その楽器の担当者を表します。
四角に囲まれたB.AとG.Aはそれぞれのアンプを示しています。
B.A→ベースアンプ
G.A→ギターアンプ
各パートの近くに「M」と書くこともあります。
このように、四角く囲まれた「M」は“モニター”を表します。
モニターとは、それぞれのパートの前に置くスピーカーのことです。
演奏者はここから出る音を聞いて演奏します。
音の出る仕組みについては「バンドのライブでリハーサルをやる意味は?流れと基礎知識」で詳しく解説しています。
モニターの位置は、ライブを重ねてこだわりが出てくる部分でもあります。
初めはライブハウスの方にお任せすると良いでしょう。
それぞれのアンプの位置は、記入しておくといいですね。
丸に矢印が刺さっているこのマーク。
これは、マイクが必要な場所とその“向き”を示しています。
矢印の向きは、マイクの上部が向く方向です。
歌う人に向かって矢印が向くように書きます。
”B band”のセッティング図では、ボーカルだけでなくドラムとギターのところにもマイクがありますね。
これは、ギターとドラムの方もマイクを使うことを表しています。
コーラスはしないし、歌わないという場合でも、MCで必要なら書いておきましょう。
演奏曲目について
演奏する曲とMCの入るところを記入します。
こんな感じですね。
1曲ずつ演奏時間を記入する欄があることもあります。
30分のステージと決まっているのなら、その時間にすべて収めなくてはいけません。
ですので、曲とMCの時間を大体把握しておきましょう。
照明について
照明について書く欄があります。
たまに「照明の事はよく分からないから、ここは空欄にしておこう…。」という人がいます。
これはとてももったいない!
演奏に集中していると、客席から見た照明ってなかなか分からないですよね。
でも、思い出してみてください。
自分が有名アーティストのライブに行った時のことを。
スポットライトでひっそりと歌っているシーンから、急に全体が「バーン!」と明るくなって、気分が盛り上った!というような経験はありませんか?
照明には、色や光でステージや曲の雰囲気を盛り上げる役割があるのです。
テレビの音楽番組もそうですね。
あれがなかったとしたら…寂しくないですか?
ライブを見ていて、「あれ?今照明遅れたな…」と感じることがあります。
照明の遅れなんて少しの差ですが、それでもやっぱり「あ…」と現実に引き戻されるような気持ちになります。
照明って大切なんです。
私は、照明のことを勉強したことが全くありません。
細かな指定はできなくても、必ず何か書くようにしています。
こんなふうに。
照明に関する自分の表現が「お粗末だな…」と思うこともあります。
でも、何も知らない状態から照明を作るって難しそうですよね。
あなたが演奏する曲が“明るい曲”なのか、“暗い曲”なのか。
それだけでも照明の色ってきっと違います。
照明の知識がなくても、「イメージだけでも伝えておけば、何かヒントになるかも…」という気持ちで書くのが良いでしょう。
備考欄
備考って言われても何書きゃいいの?と思うでしょう。
ここには、「この曲だけ○○してほしい」など、その曲だけの特記事項を記入します。
例えば、
・この曲だけギターのマイクをコーラスで使います。
・この曲は、ベースの音を強めに歪ませます。
というように、その曲だけの音響の特徴を記入します。
パート
ここには、担当楽器とそれぞれの担当者の名前を書きます。
バンドの編成を知らせるために記入します。
Gt.Choというのは「ギターコーラス」のことで、ギター担当の方がコーラスもするということです。
これを書いておくと、ステージのセッティング図のギター前のマイクは、コーラス用であることが分かりますよね。
このようにPAさんは、各欄に書いてある情報を合わせて、ステージの全体像をつかんでいきます。
ですので、「これはいらない情報だ」と自分で決めつけて省かずに、書ける所は記入することが大切です。
スタッフさんへのメンバー紹介という感じで、名前も記入します。
その他
図の見本では「バンドの特記事項・PAさんへのお願い」と書いてありますが、
「その他」や「特記事項」と書かれていることもあります。
何かを自由に書けるスペースになっています。
セッティング図や曲、照明に関することではないけれど、伝えておいた方がいいと思われることを記入します。
「これは言わなくても、見ればわかるか。」と思わず、書きましょう。
書かなくても察してくれると思わないことが大切です。
分かるかもしれないけれど、分からなかったら…希望通りの演出をしてもらえないかもしれません。
また、PAさんや照明さんは他の出演者の方のことも考えなくてはいけません。
なので、察してくれるのを待つのではなく、自分がきちんと伝えるという意識が大切です。
まとめ
今日は、“セッティング表”“PA表”の書き方を解説してきました。
PAさんや照明さん、他のスタッフさんはあなたのバンドのことを知りません。
なので、これらは「私たちのバンドはこんな感じですよ。こういうふうにしてくくださいね!」とお知らせする手紙のようなものなのです。
きちんと書いて、知らせて、是非素敵なライブにしてくださいね!
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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