作詞ができない、難しい…そんな時ヒントになる考え方

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こんにちは!シンガーソングライターのB型さんです。

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歌を作っていると、作詞ができなくて行き詰まってしまうことがあると思います。

いくつかの考え方を知り、肩の力を抜くことで、グンと歌詞が書きやすくなることがあります。それらの考え方の中には、リアリティのある歌詞を書くことができるようになるポイントも含まれています。

今回は、作詞に行き詰まってしまった時のヒントになる考え方について解説していきます。

尚、具体的な歌詞の作り方については「初心者からの歌詞の作り方、方法!歌詞作成の仕方や手順、やり方のコツ」で解説しています。

↓この記事の内容を動画でも解説しています。画面中央の再生ボタンを押してご覧ください。

難しい言葉を使う必要はない

1つ目のポイントは、難しい言葉を使わなくて良い、ということです。つまり、自分が知っている言葉で書けば良いということです。なぜなら歌詞は、伝わることが大切なことだからです。

様々な歌詞の中には、難しい言葉が使われていて、なんだかよくわからないけどカッコよく聞こえるものもあります。それが個性になっている場合もありますよね。このようなものは強烈な印象があるので、「自分もそうしなければ」と思うかもしれません。

ですが、これは歌詞を書く上で重要なことではありません。難しい言葉で個性的にすることよりも、わかるように書くことが大切なのです。それは、歌詞が内容を伝えることができて初めて共感を得られるものだからです。

例えば、学校などで授業を受けている時のことを考えてみましょう。やたらと難しい専門用語を並べて説明されることがありますよね。この時あなたは、「なんかすごいこと言ってるけど全然わからんわ…」とそっぽを向いてしまうのではないでしょうか。

反対に、簡単な言葉でわかりやすく解説を受けた時は、「なるほど!そうなんだ!」と関心を持って聞くことができますよね。

これと同じで、耳を傾けてもらうためには「伝わるように書く」ことが最も大切なのです。ですから、難しい言葉で個性を出そうとする必要はないのです。

ここで、「でも、簡単な言葉だけでどうやって個性を出すの?」と思う人もいるでしょう。ですが、個性は書き手が狙って出す必要はない、とも私は考えています。つまり、”伝わるように書いたその先に個性が生まれる”ということです。

例えば、童謡などの歌詞では、特に難しい言葉は使われることがありません。にもかかわらず、情景を思い浮かべてジーンと感じ入ってしまう…ということがありますよね。するとその曲は、聴き手にとって個性ある「この曲」になります。

このように、聴き手が「この曲のここにグッとくる」と感じ入った瞬間に、その曲の個性が生まれるのです。つまり、個性は自分が狙って生み出すものではなく、書き手と聴き手の間で生まれるものということですね。ですから、伝わるように書くことがあなたの個性となっていくのです。

確かに、言葉をたくさん知っていることで、表現の方法も豊かになります。なので、常に様々な言葉への興味を持っておくことは大切なことです。

ですが、「今自分が知っている言葉で表現する」ということも歌詞を書く人に求められることです。なので、難しい言葉を使おうと考えている人は、一度肩の力を抜いてみましょう。そして、あなたの知っている言葉で書いてみましょう。

「本当のこと」を洗い出す

「本当のことを洗い出す」ということも、歌詞を書き進めやすくするポイントです。ここで言う“本当”とは、事実や実体験ということではありません。実体験であっても、空想の世界であっても「心にある、本当に思っている事を洗い出していく」ということです。

例えば、恋愛の歌を書くとします。そこで、「好きだよ 愛してる」みたいな歌詞を書く前に、「本当のことを言えているか」を一度考えてみてほしいのです。つまり、「好き」という気持ち以外に、何か別のことも感じていないだろうか?ということです。

すると、実は「前の恋愛が忘れられない」とか「実は妥協した」などの別の気持ちが隠れていることがあります。こんな気持ちが隠れているのに、「愛してる」なんて「ほんまかい!」って感じですよね。

こんなふうに「本当のこと」が書かれていないものは、歌詞の内容も薄っぺらくなり、嘘くさい歌になってしまいます。また、本当の気持ちを表現できていないことになるので、自分自身も納得のいかない仕上がりになるでしょう。

なので、このような心の奥底に隠れている「本当のこと」を洗い出していきます。それによって、書く内容も広がり、書きやすくなります。さらにはリアリティのある歌詞にすることができます。

自分の経験したことのある分野の歌詞を書く

自分が経験したことのある分野についての歌詞を書くということも、書きづらさを解消するポイントの1つです。

反対に、一度も経験したことのない分野については、想像がしづらいので非常に書き辛いです。そのようなものを書き進めると、内容のない歌詞になってしまう恐れがあります。そうなると、自分自身も納得できるものにはなりません。

例えば、「お母さん」をテーマに歌詞を書くとします。そこで、「母親」になったことのない人が、お母さんの気持ちで歌詞を書くなんて難しいですよね。

もちろん表面的な「お母さん像」で書くこともできるでしょう。ですが、それでは現実のお母さん達の共感は得にくいです。

反対に、実際のお母さんが書けば、表面的な母親像にはなかった一面が表現されやすいです。それは、一般的な母親像の奥にある「生々しい気持ち」を表現しやすいからです。そこに世のお母さんたちは共感します。

このように母親になったことがない人が、「お母さん」というテーマで作詞する場合、「子ども目線で書くこと」をおすすめします。つまり、「どのようにお母さんを見ていたか」ということですね。なぜなら、そのような人も”子ども”の経験はあるからです。

これなら、先ほどの場合より、書けるエピソードが多いはずです。なので、随分書き進めやすくなります。さらに、リアリティを伴う、共感を得やすい歌詞を書きやすいのです。

このように、経験したことのある分野をテーマにすることで、作詞しやすくなります。

全体をストーリー仕立てにする必要はない

「歌詞を書く時にストーリーが思い浮かばなくて書きにくい…」と悩む人も多いですよね。ですが、必ずしも歌詞全体をストーリー仕立てにする必要はありません。

なぜなら、歌詞は「ストーリー」だけを楽しむものではないからです。実際に、様々な歌詞の中には、ストーリー的になっているものありますが、そうなっていないものも多くあるのです。

もちろん、全体がストーリー仕立てになっている歌は、ドラマチックなシーンが頭に浮かぶので、とても楽しいですよね。

ですが、これ以外の歌詞の楽しみ方として、“断片的な言葉に感動する”というのもあります。この場合は、ストーリーは必ずしも必要ではありません。

例えば、流れている歌を何となく聴いている時に、ある言葉やフレーズがふと耳に入ってきて心に響いたという経験はないでしょうか。私自身、これがきっかけでその曲を好きになるということも度々あります。そこから、歌全体の歌詞を勝手に解釈して楽しむのです。

このような楽しみ方の場合、歌詞がストーリーになっていなくても、その“言葉”や“フレーズ”が聴く人にとって大切なものになります。ですから、ストーリーが重要ではなくなります。

なので、「ストーリーにしなければ!」と気負わないで、歌詞制作に取り組んでみましょう。

どうしても書けない時は、いったん離れる

どうしても書けない時は、いったん書くのをやめることも1つのポイントです。なぜなら、離れてみるとふとした時に思いつくことがあるからです。また、再度チャレンジした時に、意外と書き進めることができることもあります。

私自身も、できない時はその作品の歌詞を書くのをいったんやめます。そして、別の歌詞を書き進めたり、曲を作ったりします。

そうしてしばらく経った頃に、もう一度戻ってきます。すると「スラスラ書き進められた!」ということがこれまでに何度もありました。

また、スタジオジブリの作品に「魔女の宅急便」というものがあります。その中の登場人物である、絵描きの少女も同じようなことを言っています。

彼女が絵を描けなくなった時は「描いて描いて描きまくる」そうです。それでも、ダメな時は「描くのをやめる」と。そうするとまた描きたくなってくるというのです。

彼女はアニメの中の人物ですが、きっと何かを生み出そうとする人には共通の悩みなんですね。

なので、どうしても書けない時はいったんその歌詞から離れてみるのも1つの方法として覚えておくと良いでしょう。

まとめ

ここまで、作詞に行き詰まった時の考え方について解説してきました。

・難しい言葉は使わなくて良い。自分の知っている言葉で、伝わるように書くことが大切。

・心にある、「本当のこと」を洗い出す。

・経験したことのある分野の歌詞を書く。そうするとリアリティも生まれて尚良い。

・全体をストーリー仕立てにする必要はない。

・どうしても書けない時は、一旦離れてみるのも1つの手。

これらのことは、作詞に行き詰まった時のヒントになります。また、納得のいく歌詞を書きやすくなります。

最後までお読みくださり、ありがとうございました!

B型さん

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