初心者からの歌詞の作り方、方法!歌詞作成の仕方や手順、やり方のコツ

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こんにちは!シンガーソングライターのB型さんです。

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歌詞を書きたいけど、どうやって書けば良いかわからない、とお悩みの方は多いですよね。

これには様々なやり方がありますが、一例を知っておくことで、初心者さんでも書けるようになります。

さらに、将来的には自分の方法で書くこともできるようになるでしょう。

今回は、 私の曲の歌詞を例にし、それを作った時の思考とともに、 初心者さんでもできる歌詞の作り方とそのコツについて解説します。

↓この記事の内容を動画でも解説しています。画面中央の再生ボタンを押してご覧ください。

ざっくりとテーマを決める

歌詞を書く時にまず決めることは、「ざっくりとしたテーマ」です。つまり、「何について書くか」ということですね。

これは日ごろ、あなたがよく考えていることがテーマとなり得ます。例えば、好きな人のことや、不満に思っていること、悩んでいることなどです。

このテーマの決め方については、「作詞の基本「ネタ探し」と「テーマ・題材選び」のヒント」で詳しく解説しています。

今回例に挙げる私の歌詞の場合は、「やりたいことがあるのに、まっすぐに進んでいけない!」という悩みをテーマにすることにしました。

「最も言いたいこと」を決める

次に、先ほど決めたテーマの中で「最も言いたいこと」を決めます。これが、歌詞の中で一番重要な「核」となるところです。

例えば、テーマが「好きな人のこと」であれば、次のようなことが考えられます。

・あの人のことを考えているだけでハッピー!

・誘いたいけど誘えない、もどかしい気持ち

・思わせぶりな態度にイライラ

このように、「好きな人」という同じテーマの中でも、どの部分に焦点を当てるかで、歌詞の内容が大きく変わります。ですから、この工程では、自分自身の心としっかりと向き合う必要があります。

これは、あなたが考えていることや悩んでいることの「根源」は何なのか、ということを突き止める作業とも言えるでしょう。

では、どのようにそれを突き止めるのでしょうか。それは、考えていることや、浮かんだ言葉をノートなどにメモするのです。

この時、「きちんと書くこと」は考えなくて良いです。言葉でも文章でも、心の叫び、文句…何でも構いません。ただひたすらに思い浮かぶ言葉を挙げていきます。

その中で、あなたが「これだ!」と思ったことを「最も言いたいこと」に設定します。ここで決めたことは、歌詞の中での「最も強いメッセージ」になります。ですから、この部分は多くの場合、「サビ」になります。

私の例の場合は、「好きなことで生きていくなんて無理?私の人生のことは自分で決めていいはず!」ということが、最も言いたいことでした。

「最も言いたいこと」に関連するエピソードを集める

最も言いたいことが決まったら、次に、それに関連するエピソードを集めます。

つまり、「実際に、どのようなことがあった時にそう思ったのか」ということを思い出し、挙げていくのです。

私は、例に挙げる歌詞を書くにあたって、次のようなエピソードを集めました。

  • やりたいことで生きていけないか考えていたけれど、「それでは生きていけない!才能なんてない!」と周りに言われ続けてきた
  • それを言われている時、「なんでそんなことわかるのさ!」と思った
  • よく言う、「いい年して、好きなことばかりやってないで…」って何?いい年って何歳?
  • 「ちゃんと働け」って言われる。それもわかる。
  • でも、やりたいことはやりたい。見てみたい世界がある!
  • でも、働かないとあかんよな…好きなことをやめられたら悩まなくて済むのに…
  • ひとまず真っ当な社会人になろうと就職。
  • でも、やりたいことってやめられない。好きなものは好き。これはどうしようもないこと。
  • 同い年の人、友達はみんな仕事で地位を築いている。世の中を動かしてる。それに参加できていない自分のふがいなさ。

このように、「最も言いたいこと」に繋がる自分の考えや、経験談といった「エピソード」を集めます。

構成に当てはめていく

次に、「最も言いたいこと」や「それに繋がるエピソード」を構成に当てはめていきます。つまり、大まかに歌詞の流れを組み立てるのです。

そのためには、歌詞がどのように構成されるのかを知っておく必要があります。ここでは、「歌詞の構成」について解説していきます。

基本の構成を知る

まず、基本的な歌詞がどのように構成されているかを知りましょう。

基本的に多くの曲は、「サビ」と「それ以外の部分」で構成されます。

「サビ」とは、歌の中で最も盛り上がるところで、何度も繰り返されることもあります。また、「それ以外の部分」も、メロディーの違いで「Aメロ」や「Bメロ」、「Cメロ」のように分けることができます。

前奏が終わり、まず初めに来るのが「Aメロ」です。その次に、少しメロディーが変わるところを「Bメロ」といいます。多くの場合、この次に「サビ」が来ます。そして、2番も同じように繰り返されることが多いです。

「Cメロ」は、「Aメロ」「Bメロ」とも異なったメロディーです。そして、最後のサビで盛り上がる直前に入ることが多いです。しかし、曲によってはこの「Cメロ」がないものもあります。

ここで1つ、今回例で使用する歌詞の全体を見てみましょう。

この曲は、「Aメロ」「Bメロ」「サビ」で構成されています。それぞれの部分を色分けしてみました。最後の黄色部分は「Cメロ」です。ただ、ここは後奏にもなる部分なので、この場合は「アウトロ」としても良いでしょう。

この構成を曲で確認したい!という場合は、以下の動画をご覧ください。

基本的には、このように「Aメロ」「Bメロ」「サビ」を1番と2番で、2回繰り返すというパターンが多いです。ですので、まずはこの3つの部分を考えていくと良いでしょう。

そして、AメロでもBでもない感じの部分があればCメロにする、と考えておくと良いですね。これは、曲を付ける段階で自然と決まることもあります。

ストーリーや話の展開を決め、構成に当てはめる

それでは、先ほど挙げた「最も言いたいこと」それに繋がる「エピソード」から、歌詞全体の流れを考えましょう。

そして、それらを「Aメロ」「Bメロ」「サビ」のどこに当てはめるかを、大まかに決めていきます。つまり、「どのような物語にするか」や「話の展開」を組み立てるのです。

私の場合は、次のような流れにすることにしました。

このように、大まかにストーリーを組み立てます。

歌詞にする

次に、このストーリーを歌詞にしていきます。

これまで考えてきた「最も言いたいこと」や「エピソード」は、事実や考えを説明する「文章」になっています。ここでは、それを「歌詞」にする作業を行います。

例えば、1つの文を短くしたり、端的に表したりします。そうすることで「詞」にしていくのです。この時、上から順に作業する必要はありません。思いつくところから取り組んでいきましょう。

先ほどのストーリーを書いたところに、浮かんだ言葉を書いていくと良いでしょう。それらの言葉を組み立て、歌詞にしていきます。

また、説明文にならないようにするために、「端的な表現」を探す必要があります。

例えば、Bメロの「大人として社会を動かしている」という部分は、このままでは、なんとなく歌詞らしくないですよね。なので、これに変わる「端的な表現」を考えます。

この場合、社会に出て働く人のことを「歯車」という言葉で表すことがありますよね。なので、これを使って「世の中を動かす歯車」としました。

このように、「歌詞として、あまり聞いたことのない感じだな…」と思う部分を、「なんだか歌詞っぽい!」という形に変えていく作業をするんですね。

この作業を繰り返し、全体を歌詞らしい形にしていきます。ここで出来上がったものに曲を付けます。その時に細かな調整をし、最終的な形に仕上げます。

歌詞を書く時の3つのコツ

きっちりと作り込まない

歌詞を書く時の1つめのコツは、「きっちりと作り込まない」ということです。なぜなら、曲を付けるときに、必ず変更しなければならない点が出てくるからです。その時に柔軟に対応しやすいのは、「きっちりと作り込まれていないもの」なんですね。

例えば、歌詞に曲を付ける時、歌詞がメロディーにうまくはまらないことがあります。このような時は、言葉や表現を変更し、メロディーに収まるようにする必要があります。

しかし、歌詞だけを作成するときに「きっちりと作り込んで」しまうと、こだわりが強くなってしまいます。すると、「どうしてもこの歌詞を変えたくない…!」という気持ちが強くなります。

しかし、これでは「メロディーにはまらない!」という問題が解決しません。このジレンマに悩むことになります。

そのため、こだわる部分はこだわっても、全体的にはざっと仕上げておくのがおすすめです。

なお、曲の作り方については「初心者でもできる歌の作り方!ギターでの作曲方法と手順」で詳しく解説しています。

最高の歌詞を書こう!と意気込まない

2つ目のコツは、「最高の歌詞を書こう!」と意気込み過ぎないことです。

初めから、たくさんの人を感動させるような、素晴らしい歌詞を書ける人はいません。それは、いくつも書いたその経験が、可能にさせることです。そのように意気込んでしまうと、それが邪魔をして、なかなかペンが進まない…ということにもなります。

ですから、「やっていくうちに慣れる」という気持ちで、試しに1つ作ってみるのが良いでしょう。そんなふうに、書ける歌詞を書くうちに、内容や表現が磨かれていくはずです。

曲になることを意識しながら書く

3つ目のコツは、「曲になることを意識して書く」ことです。これを意識することで、メロディーに乗りそうな言葉を選びながら書くことができます。

具体的には、曲ができていない状態でも、その時だけの「仮」のメロディーに歌詞をつけてみるという方法があります。

また、「仮」のメロディーが全く思い浮かばなくても、「曲に乗せる」ということを意識することが大切です。こうすることで、「歌詞になりやすい言葉や表現」が、思い浮かびやすくなります。

初めは、これが難しく感じるかもしれません。ですが、慣れてくると自然とできるようになることもあります。ですから、できるだけこのことを意識するようにすると、歌詞を書くスピードも上がりますよ。

まとめ

ここまで、歌詞の作り方やコツについて解説してきました。

・歌詞全体の、ざっくりとしたテーマを決める。

・「最も言いたいこと」を決める。そして、それにつながる「エピソード」を集める。

・歌詞の構成を知る。

・歌詞全体のストーリーや話の展開を決め、構成に当てはめる。

・歌詞の形を作る。

・コツは「きっちり作り込まないこと」「最高の歌詞を書こう!と意気込まない」「曲になることを意識して書く」。

このような歌詞作成方法の一例を知っておくことで、初心者さんでも歌詞を書きやすくなります。そして将来的には、自分の方法で書くことができるようになります。

それでは、最後までお読みくださりありがとうございました!

B型さん

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