こんにちは!シンガーソングライターのB型さんです。
「ビブラートってどうやってかけるの?」と悩む人は多いですよね。
この「ビブラート」には、3種類のかけ方があります。これができるようになると、歌の表現力は格段にアップします。
今回は、「ビブラートとは?」というところから、そのかけ方や出し方のコツ、練習方法を解説していきます。
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もくじ
ビブラートとは?良い「ビブラート」の3つの条件
「ビブラート」とは、“歌の音を伸ばすところで、声を揺らすテクニック”のことです。
とは言っても、ただ揺れていれば「ビブラート」になるというわけではありません。良い「ビブラート」にするには、次の3つの条件をクリアしている必要があります。
揺れ幅が一定であること
良いビブラートの条件の1つ目は、「揺れ幅が一定であること」です。つまり、上下に同じ幅だけ揺らし続けるということです。
これを図で表すと次のようになります。
図の黒線で示した「揺れ幅」が変わることなく続いていますよね。これが「揺れ幅が一定である」ということです。
逆に「揺れ幅が一定でない」とどうなるのでしょうか。
例えば、半音違いの「ド」と「シ」の2つの音でビブラートをするとします。「ドシドシドシドシドシ」という感じです。ここに、「ラ」の音が混ざったら揺れ幅が一定でなくなります。これを図で示すと次のようになります。
こうなると、心地の良い音の揺れではなくなります。そのため、揺れ幅を一定にする必要があるのです。
揺れる間隔、速さが一定であること
2つ目の条件は、「揺れる間隔が一定であること」です。つまり、揺らす速さを一定にするということです。
これを図で示すと、次のようになります。
例えばこれが一定でなく、先ほどの「ド」と「シ」のビブラートが、「ドシドシドシドーシドシ」のようになると気持ち悪いですよね。
やはり、こちらも心地良く感じる揺れではありません。ですから、間隔も一定である必要があるのです。
音が途切れないこと
3つ目の条件は、「音が途切れないこと」です。
音が途切れると、そもそも“揺れ”を感じることができません。なぜなら、”揺れ”を感じる前に音が消えてしまうからですね。
また、安定した音量を保つことができないと、ビブラートの持つ優雅さを表現することができません。すると苦しそうなビブラートになってしまいます。
これらのことから、音が途切れないことも、良いビブラートの条件の1つと言えるのです。
ビブラートの3つの出し方と練習方法
それでは、「ビブラート」の出し方や練習方法を解説していきます。このテクニックには、主に3種類の出し方があります。これらを順に見ていきましょう。
口、あごでかける方法
まず、1つ目は「あご」を動かしてかける方法です。これは、下の写真のようにあごを動かし、口を軽く開けたり閉めたりすることで音を揺らす方法です。
このように口を開閉しながら、「あーー」と音を伸ばしてみましょう。すると自然に「あぅあぅあぅあぅあぅ」という音になるはずです。これが、「口、あごでかけるビブラート」の仕組みです。
この方法は、ビブラートをかけたい音を伸ばし、そのまま口を上下に軽く繰り返し動かすことで出すことができます。このように単純な仕組みなので、3つの方法のうち、最も簡単であると言えます。
喉でかける方法
2つ目にご紹介するのは、「喉」を動かしてかけるビブラートです。
これは、2つの音程を繰り返し発することで、音を揺らす方法です。
例えば、「あぁあぁあぁあぁあぁ」を少し速く読んでみてください。この時、「あ」よりも「ぁ」を低い音にしてみてくださいね。すると、ビブラートっぽくなりますよね。
このように、2つの音程を繰り返すと、声が揺れて聞こえます。これを利用したのが「喉」でかけるビブラートなのです。
この方法は次のような手順で練習するのがおすすめです。
1、まず、「あーーー」と声を伸ばします。
2、その状態から、「ぁ」を「あ」よりも低い音でゆっくり「あぁあぁあぁあぁあぁ」と発音します。
3、それを徐々に速くしてきます。
すると最終的に、ビブラートらしくなるというわけです。 この「喉でかけるビブラート」は、先ほど紹介したものに次いで習得しやすい方法です。
横隔膜でかける方法
3つ目に、「横隔膜(おうかくまく)」でかける方法を紹介します。「横隔膜」とは、お腹の「みぞおち」のあたりにある臓器です。
この場所を確認するために、犬が運動した後などにする「ハッハッハッハッハッ」という呼吸をしてみてください。こんな感じですね。
この時、下の写真の赤丸で示したあたりの部分が動いているのがわかるでしょうか。
このあたりに「横隔膜」があります。ここを動かして声を揺らすのが「横隔膜でかけるビブラート」です。けれど、体の中にある「横隔膜」を揺らす感覚は、わかりづらいですよね。
これを理解するために、自分の手で「横隔膜」を揺らして練習する方法が有効です。そうすることで、「横隔膜」を揺らしてビブラートをかける、という仕組みを理解することができるからです。
そのためには、次のような手順で練習すると良いでしょう。
1、まず、「あーーー」と声を出します。
2、その状態で、「横隔膜」のあたりを手でポンポンポンポンと押さえましょう。すると、声が揺れます。これが「横隔膜」動かしてかけるビブラートの仕組みです。
3、その揺れた声は持続させたまま、手を止めます。
このように、手動で横隔膜を揺らすことで、このビブラートの感覚を体に覚えさせます。
また、先ほど「音程」の違いを利用した「喉でかけるビブラート」を紹介しました。それに対して、こちらが「音量」を調節してかけるものであることを意識すると、より感覚がつかみやすいでしょう。
先ほどの「喉でかけるもの」は、「あぁあぁあぁあぁあぁ」の「ぁ」を、「あ」よりも低い音で発音することで”揺れ”を表現しました。
今度はこの「ぁ」を、「あ」よりも音量を小さくして読んでみましょう。すると「あっあっあっあっあっ」のような音になります。先ほどの犬の呼吸に近い感じです。
これをスムーズに繋げたものが「横隔膜でかけるビブラート」です。このように、「音量」の差でかけることを頭に置いておくと、この方法が理解しやすくなるでしょう。
この方法は、3つの中で最も難易度が高い方法です。しかし、この方法が最も自然で安定感があるとされています。ですので、ぜひ頑張って習得したいですね。
「ビブラート」のかけ方のコツ
ここからは、「ビブラート」のかけ方のコツについて解説していきます。
リラックスして歌う
ビブラートをかけるために大切なのは、「リラックスすること」です。なぜなら、余計な力が入っていると声がきれいに揺れなかったり、音が長く続かなかったりするからです。ですから、喉を脱力させることはもちろん、体全体をリラックスさせることが重要です。
そのためには、普段から無理のない歌い方をする必要があります。その上で「ビブラート」の練習するのが、習得を早めるコツです。
私自身、リラックスした状態で楽しく心地良く歌っている時が、最も良いビブラートがかけられると感じています。
私がライブなど、人前で歌うようになってから10年ほどです。けれど、リラックスした状態で楽しく歌えるようになったのは、ここ最近です。
それまでは、どこか無理をしていて、いつも頑張って歌っているような感じでした。例えば、体の一部に力が入っている、というようなことです。そんな状態だったので、ビブラートをうまくかけることができませんでした。
しかし、リラックスして歌うことを覚えてから程なく、「ビブラート」を習得することができたのです。
この経験から、「ビブラート」を習得する前に、リラックスして歌うことを身に付けるのが重要であると気づきました。
ですので、体に力が入るなどして「頑張って歌っているような気がする…」という人は、「ビブラート」の前にリラックスした歌い方を習得してほしいと思います。
腹式呼吸を習慣付ける
ビブラートをかけるには、「腹式呼吸」を身に付けることが必要です。「腹式呼吸」とは、お腹を膨らますイメージで空気を取り入れ、そこから出すという呼吸の方法です。
これを癖付けることによって、体の中にたくさんの空気を取り込むことができます。すると、安定した音量の声を長く出すことができます。その結果、音が途切れないビブラートを出せるようになるということなのです。
ですから、「ビブラート」にはこの呼吸法が必須です。
この「腹式呼吸」の他に、「胸式呼吸」という方法があります。これは、「胸」つまり「肺」に空気をためて、そこから出すというものです。
この方法では、「腹式呼吸」に比べて、体に取り入れる空気の量が少なくなります。そのため、音を長く伸ばして「ビブラート」を響かせることができません。
ですから、ビブラートを練習する前に、「腹式呼吸」ができているかを確認してみましょう。これを判別するには、仰向けに寝転んで呼吸した時の胸を見るとわかります。息を吸ったり吐いたりする度に、胸が上下していれば「胸式呼吸」をしている、ということです。
「腹式呼吸」ができるようになれば、あとは先述したような練習を繰り返すことで「ビブラート」ができるようになります。
腹式呼吸については、「歌う時の腹式呼吸を習慣づけよう!練習法とやり方のコツ」で詳しく解説しています。
まとめ
ここまで、「ビブラート」のかけ方や練習方法、出し方のコツについて解説してきました。
・ビブラートの条件は「揺れ幅が一定であること」「速さが一定であること」「音が途切れないこと」。
・ビブラートには、「口、あごでかけるもの」「喉でかけるもの」「横隔膜でかけるもの」の3種類がある。
・「口、あごでかけるもの」は、口やあごを小刻みに動かして音を揺らす方法。
・「喉でかけるもの」は、2つの音程を繰り返し発音することで音を揺らす方法。
・「横隔膜でかけるもの」は、「音量」を調節することで音を揺らす方法。これが最も難易度は高いが、安定感がある。
・歌い方自体をリラックスしたものにすることで、ビブラートは習得しやすくなる。
・「腹式呼吸」を癖づける必要がある。
ビブラートができるようになると、歌の表現力が格段にアップします。さらに、今よりももっと歌うことが楽しくなること間違いなしです!
最後までお読みくださり、ありがとうございました!
B型さん