ギターのコードをジャカジャカと弾くことに慣れてきて、次は弦をバラバラに弾く“アルペジオ”で弾いてみたいと思っていませんか?
なかなか見よう見まねではやるには難しいテクニックですが、その仕組みを知れば、扉を開くことができます。
今回は、ギターのアルペジオについて、またそのやり方や弾き方のコツについて解説していきたいと思います。
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もくじ
ギターのアルペジオとは?
アルペジオとは、コード(和音)をバラして弾くことです。コード(和音)で弾く、というのはジャランと複数弦を一度に鳴らすことです。
一方、アルペジオでは、このように一度に全部鳴らしません。コードを押さえながらポロンポロンと、音をバラバラにして弾きます。そのため、日本語では「分散和音」と呼ばれます。
これをTAB(タブ)譜で確認してみましょう。TAB譜とは、ギターの6本の弦を表にしたもので、押さえる場所を数字で示したギター専用の楽譜です。
例えばCコードをジャランと一度に鳴らす場合は、次のように示します。「TAB」と書かれた下段がTAB譜です。
一方、次の図のようにバラバラに鳴らすのが、アルペジオです。
※TAB譜の読み方については「初心者必見!ギター専用の楽譜・TAB譜の読み方と記号の見方」で詳しく解説しています。
弦1つずつの響きが聞こえ、コードで鳴らすのとは違った雰囲気を表現することができます。アルペジオのやり方は2つあり、ピックを使用する方法と指で弾く方法があります。
尚、この記事ではアコギを使用して解説していますが、エレキでもアコギでも基本的には同じやり方です。ですので、どちらの場合も参考にしていただけると思います。
では、これらを順に解説していきます。
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ピックで弾くアルペジオのやり方
まずはピックを使って弾くアルペジオをご紹介します。
ピックを使うことで1音ずつ強く響かせられ、硬さのある音にできることが特徴です。ピックの持ち方は、コードをジャランと弾く時と同じです。ピックの基本の持ち方については「ギター初心者の壁!正しいピックの持ち方・握り方」で解説しています。
そして、次の写真のように右手の薬指や小指をボディに軽く添えるように置きます。
こうすると右手全体が安定し、弾きやすくなります。
また、上の弦から順に6、5、4、3、2、1と鳴らすだけでなく、アルペジオには色々なパターンがあります。
例えば、順番をバラバラに、弦をまたいで弾くようなものもあります。
ピックでの演奏では、指で弾くのに比べて難しく感じます。これを克服するには、右手に弦同士の間隔がどのくらいかを覚えさせる必要があります。根気がいる練習ですが、慣れてくると見なくても弦同士の間を行き来できるようになりますので、頑張りましょう。
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指で弾くアルペジオのやり方
アコースティックギターでは、指でアルペジオを弾く機会も非常に多いです。ポロンポロンと弾くと、アコースティックギターらしい、柔らかな音が鳴らせます。
指でのアルペジオには、次のように2つのタイプがあります。
・「親指・人差し指・中指」の3本を使う、「3フィンガー」
・「親指・人差し指・中指・薬指」の4本を使う、「4フィンガー」
これらのやり方を順に解説していきます。
3フィンガー
3フィンガーのアルペジオを弾く時には、親指・人差し指・中指の3本指を使います。でも、3本の指でどうやって6本の弦を扱うのか?と思いますよね。
そのために、それぞれの指に担当の弦が割り当てられています。その割り当ては、下の図のようになっています。
6~3弦は親指で、2弦を人差し指、1弦を中指が担当します。この時3本の指を、下の写真のように指をスタンバイさせておくと、指さばきがしやすくなります。
これが3フィンガーでの基本の構えです。親指は6弦、その他はそれぞれ担当する弦のところにスタンバイする形です。
弦を弾いた後、どの指もこの場所に戻ってくる、ということです。ただ、これは厳格に守ろうと意識しすぎると弾きづらくなります。なので、力を抜いた状態でおおよそ担当弦の前にスタンバイする、というようなイメージを持っておきましょう。
また、親指は、次の写真のように弦側の腹を使って弦を弾きます。
なので、基本の構えをするときに、親指は弦に対して平行になるようにしましょう。
その他の指は、腹や爪などを使い、下から上に向けて弦を弾きます。弾いた後、隣の弦に指が当たらないように注意しましょう。
4フィンガー
4フィンガーのアルペジオを弾くときには、親指・人差し指・中指に加えて薬指も使います。この場合も下の図のように、それぞれの指に担当の弦が割り当てられています。
6~4弦は親指で、3弦を人差し指、2弦を中指、1弦を薬指で弾きます。この「4フィンガー」のアルペジオの場合も、基本の構えがあります。次のような感じです。
親指は6弦、その他はそれぞれ担当する弦のところにスタンバイする形です。弦を弾いた後、どの指もこの場所に戻ってきます。
しかしこれも、3フィンガーの場合と同じように、意識しすぎると弾きづらくなってしまいます。ですので、力を抜いた状態で、大体担当の弦の前にスタンバイするイメージを持っておくのが良いでしょう。
こちらの方法は親指の守備範囲が狭くなるため、比較的取り組みやすい傾向があります。
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指で弾くアルペジオの注意点
手首の角度
指でアルペジオを弾く時に、まず注意したいのが「手首の角度」です。次の写真のように、手首に無理な角度が付いてしまうのは良くありません。
これでは不安定になり、目的の弦に指を当てにくくなるからです。下の写真のように、手首に角度が付かないように構えましょう。
そして、手首の付け根をブリッジ辺りに軽く置くようにします。
こうすると手首が安定し、弾きやすくなります。この手首を置く位置は、時と場合、さらには人によって多少異なることがあります。
その他、次のように小指をボディに置いて、安定させる方法もあります。
続けていくうちに自分のスタイルが出来上がっていきますが、まずは今の自分が無理なく弾ける構えを探してみると良いでしょう。
指を軽く曲げた状態にする
アルペジオは、指を伸ばした状態で弦を弾かないことも大切です。親指以外の指は軽く曲げて構えましょう。
先ほど、“親指は弦に対して平行に構える”と解説しました。ですので親指だけは、次の写真のように、自然に伸ばした状態になります。
しかし、その他の指はこのように
軽く曲げた状態で構えます。この時、手には余分な力は入っておらず、リラックスした状態になっています。
反対に、良くない例がこちらです。
指が伸びてしまっていますね。こうすると余分な力が入ってしまうとともに、安定感がなく弾きづらくなります。
ですので、指は自然な感じで、軽く曲げた状態で構えるようにしましょう。
担当弦は絶対ではない
指で弾くアルペジオでは、どの指がどの弦を担当するかが決まっている、と先ほど解説しました。
しかし、この分担はあくまで“基本”であり、“絶対”ではありません。必要に応じて、別の指で弾くこともあります。
例えば、基本的には親指が担当する4弦を人差し指で、また薬指が担当する1弦を中指で弾く…というようなこともあり得るということです。
なので、「基本的には担当する弦が決まっているけれど、場合によっては変わってもOK」と柔軟な考えを持っておきたいですね。
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コピーやカバー曲のアルペジオ練習のコツ
ここまで、アルペジオのやり方や注意点について解説してきました。
やり方は分かっても、「実際に曲を練習するときに上手く弾けない!」ということがあると思います。そんな時は“ゆっくり演奏すること”を心がけてみましょう。“ゆっくり”というのは、「自分が確実に弾けるテンポ」ということです。
そこから始めて、弾けるようになったら少しテンポをアップして…というように練習を進めていきます。このように、ゆっくりと弾くことで指の動かし方を体に覚えさせ、その後徐々に弾きたいテンポに近づけていくのです。
ゆっくりでも弾けないフレーズを、速いテンポで…なんて弾けないからです。こうやって練習していると、「はやく曲に合わせたい!」ともどかしくなります。
でも、これをやらずに進むと、結局同じところで何度もつまづくことになります。そうなったら遠回りです。
「まずはゆっくり」の方法は、遠回りに見えて近道なので、焦らず地道に頑張りましょう!
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ギターのアルペジオ・やり方と弾き方のコツ:まとめ
ここまで、アルペジオの弾き方や練習のコツについて解説してきました。
・アルペジオは分散和音とも呼ばれ、コードをバラけさせて弾くテクニック。ピックで弾く方法と指で弾く方法がある。
・ピックで弾く場合は、小指や薬指をボディに添えるように置き、安定させて弾くと良い。
・指で弾く場合は、3本指で弾く「3フィンガー」と4本指で弾く「4フィンガー」の2種類の方法がある。
・「3フィンガー」では、親指が6・5・4・3弦を、人差し指が2弦、中指が1弦を担当する。
・「4フィンガー」のでは、親指が6・5・4弦を、人差し指が3弦、中指が2弦、薬指が4弦を担当する。
・手首に角度を付けないようにし、手首の付け根をブリッジ近くに置くようにすると安定して弾きやすい。もしくは小指や薬指をボディのトップに置いて、手を安定させても良い。
・指は自然に軽く曲げた状態で構える。
・まずはゆっくり弾いて、指の動かし方を体に覚えさせる。
初めは難しく感じるアルペジオですが、慣れてくると自然に出来るようになります。これが出来るようになると、演奏方法の幅が広がり、ワンステップ上の演奏を楽しめるようになります。
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この記事が参考になれば嬉しいです。
B型さん