ギターを練習していて、「自分で作詞作曲したオリジナルの曲を作ってみたい!」「でも、音楽の知識がないから難しそう…。」と思っている人は多いですよね。
できることを1つずつやれば、初心者でも曲を作ることができます。この作業に慣れれば、この先も曲作りを続けていくことができるでしょう。
今回は、実際に曲を作りながら、私自身の作曲方法と手順をご紹介します。
↓この記事の内容を動画でも解説しています。画面中央の再生ボタンを押してご覧ください。
→【期間限定】こんなことまで教則本には書いてない!!現役シンガーソングライターが教えるギター講座・全16話4時間8分の無料レッスン動画を受け取る
もくじ
作詞が先か作曲が先か?ギターを使用した曲作りの順序
曲を作る時、「作詞と作曲のどちらを先にすべきか?」と迷うことがあります。結論から言うと、どちらでもかまいません。
私の場合は、まず歌詞を書くことが多いです。このように、詞を先に作る方法を詞先(しせん)といいます。この時、初めから全ての歌詞をきっちりと作る必要はありません。できるところから少しずつ作っていけばOKです。
私は、普段から歌詞になりそうなフレーズを思いついたら、その都度スマホにメモしています。そこにあるフレーズを使って、まずは思いつくままに書いていきます。
例えば、「このフレーズをテーマにするなら、あのエピソードを盛り込んでみよう。」とか「この言葉を是非使いたい!」ということをすべて書き出します。最終的にこれらを合体させて歌詞にしていきます。
今回は「缶コーヒー」をテーマにした歌を作っていきます。まず、次の写真で示したメモのように、思いつくフレーズや言葉を書いていきます。
実際の私のメモは、もっと汚いです。自分にしか分からないような文字で、広告の裏などにダーッと書きます。笑
これを少し整えて、詞っぽくしてみましょう。
—————————————–
たくさんの円柱を並べる
私は今日もアルバイト
苦そうなブラックの文字
結局どれも同じような味で美味しいなんて思わない
260円と円柱二つ
電車は彼を連れて行った
私の目の前に残った缶コーヒー
——————————————–
私は、このように、まず使いたい言葉を出してから先に作詞することが多いです。ある程度書き出したら、「どこを歌詞の中心にしたいか」という、歌のテーマとなる部分を何となく決めます。
つまり、この歌でここが一番言いたいところ!ということを明確にしておくのです。今回の例の場合、「260円と円柱二つ~私の目の前に残った缶コーヒー」の部分を一番大切なところに持ってこようかな?と考えています。
今回は、歌詞を先に作り始めましたが、毎回必ずこうしているわけではありません。曲から作ることもありますし、同時に進めて行くという場合もあります。順番はどちらでも構いません。
「詞が先か、曲が先か」という問題は、それぞれにメリット・デメリットがあります。これについては「曲を作る順番は詞が先か?曲が先か?」で、解説しています。
初心者さんには曲先がおすすめ
ただ、初めのうちは、曲を先に作る方が負担が少ないことがあります。このように、曲を先に作ることを「曲先(きょくせん)」といいます。
なぜ曲先の方が負担が少ないかと言うと、この方法だと省ける作業があるからです。それは、「言葉の言い換え」です。詞先の場合は、この作業が必須となります。
「言葉の言い換え」とは、曲に歌詞を乗せた時に字足らずになったり、字余りになったりしてしまう言葉を、メロディに合わせたものに変えていくという作業です。
曲先だと、出来上がったメロディーに言葉を乗せていくので「言葉の言い換え」の作業を省くことが出来ます。
→【無料】こんなことまで教則本には書いてない!!現役シンガーソングライターが教えるギター講座・全16話4時間8分の無料レッスン動画を受け取る
手順1・作曲をする
それではいよいよ作曲をしていきます。作曲は「超ハードルが高い!」と思いますよね。私もその“思い込み”のせいで、長い間作曲に手を付けられないでいました。
ですが、「自分には無理だ!」と決めつけずに、まずはやってみましょう。やっていくうちにコツがつかめてきます。ここでは、その方法をご紹介します。
思い描いたメロディーにコードを当てはめる
1つ目は、思い描いたメロディにコードを当てはめる方法です。
突然ですが、あなたは鼻歌で適当な歌を歌ったことがありますか?ここで、「あります。」と答えた方は、既に作曲経験者です。
この鼻歌で作曲したメロディに合うコードを探していくのです。つまり、適当に歌って「なんか…いい!」と思ったメロディーを、最終的に1曲に仕上げていくということです。
これをするために、思いついたメロディを、普段からスマホのボイスメモに記録しておくと便利です。この時、思いついたらすぐ録音するのがポイントです。「ここじゃ恥ずかしいから後で…」としていると忘れてしまいます。
そして、「さて、作曲をするぞ!」という時に、そこからフレーズを1つ選びます。それを広げて1曲に完成させていきます。
まずは鼻歌に合うコードを探します。でも、この音に、何のコードが当てはまるのか全然分からないよ…ということもありますよね。また、もっと押さえやすいコードにしたい…ということもあるでしょう。
そんな時は、始まりの音を変えてしまっても大丈夫です。試しに、よく弾くコードを鳴らしてみましょう。
例えばそれが「A」コードだったとします。そしたら、「A」コードに合う音をからメロディを作っていきます。この時、曲全体のメロディを一気に作り上げる必要はありません。
まずは「サビだけ」「イントロだけ」というように、1つのかたまりを作ることを目標にすると良いでしょう。実際にやってみます。
今回はこんなメロディーにしようかな?と考えました。
↓再生プレーヤー左端の再生ボタンを押して聴いてみましょう。
「でもこれだと、どのコードか分からないな…。」
「よし!「A」コードから始められるメロディにしちゃおう!」
コード進行 |A D |E A |
これらを聴き比べてみると、カラオケでキーを変えたときのように変化しているのが分かると思います。このように、メロディにコードを当てはめていきます。
並べたコードにメロディをつける
メロディが思い浮かばなければ、先にコードを並べて、それに合うメロディーを考えるという方法もあります。
「コードを並べる」というのは、いくつかのコードを、気持ちよく聞こえる並びにするということです。これを“コード進行”と言います。
この時、好きな曲のコード進行を使っても良いです。「そんなことしたらパクりになっちゃう!」と思うかもしれません。
ですが、コード進行が同じでも、そこに乗るメロディさえ違っていればパクりにはなりません。このように、コード進行が同じでも異なる曲に聞こえるものは、世の中にたくさんあるのです。
これは、「コード進行」にはある程度のパターンがあるからなんですね。また、リズムを変えることで全然違った曲にすることもできます。
そして、「このコード進行にしてみよう!」ということが決まったら、鼻歌でメロディをつけていきます。
すぐには思いつかないかもしれませんが、「ああでもない、こうでもない」と試してみてください。鼻歌や「ラララ」でやってみましょう。また、まだ歌詞がなくても、適当な言葉を乗せてみるのも良いでしょう。
また、私の経験上、この時偶然出てきた言葉が、メロディとぴったりはまることもあります。そしてそのまま歌詞になるということもあります。
私自身初めの頃は、「A」「E」「D」を並べて曲を作ることが多かったです。これらが押さえやすいコードだったからです。
ですが、この3つだけでも、ちゃんと曲になるんですね。しかも、リズム次第で同じコード進行で、別の曲をつくることもできます。
このように、自分の知っているコードを並べて、そこにメロディを付けていきます。
この場合も、曲全体のメロディを一気に作り上げる必要はありません。まずは「サビだけ」「イントロだけ」というように、1つのかたまりを作ることを目標にすると良いでしょう。
今回は、この「A」「E」「D」の3つのコードで曲を作ってみたいと思います。
次のようなコード進行にすることにしました。
|A D |E A |A D |E A |
|A D |E A |A D |E A |
次に、ここに合うメロディーを探していきます。
「こんな感じにしようかな?」と、まず思い浮かんだのはこんなメロディです。
その他、「こんなふうにもできそう!」と思いつきました。
このように、コードを並べ、そこにメロディを付けていきます。
→【無料】こんなことまで教則本には書いてない!!現役シンガーソングライターが教えるギター講座・全16話4時間8分の無料レッスン動画を受け取る
手順2・曲の構成を決める
次に、前の行程で考えたメロディをどの部分にするかを考えます。
例えば、先ほど考えたメロディを「サビ」にするとします。そしたら次に、そこに向かうAメロやBメロを作っていきます。
AメロやBメロも、前述した方法と同じように作っていきます。
具体的には、3つのコードを並べ替えたり、組み合わせを変えたりする方法でAメロやBメロを作っていきます。このような手順で、まずは1番を作りましょう。
私の場合、その後に、1番のメロディーで歌詞を変えて2番を作る、と進めていくことが多いです。ですので、第一目標は1番を作ることです。
この時、2番を作る必要性を感じず、そのまま1番だけにすることもあります。これとは逆に、3番、4番…と長くなる場合もあります。
それでは、今回作る曲のAメロ、Bメロを作っていきます。
「Aメロは、サビとは違うギターにしてみよう。」と、次のようなコード進行しました。
|A |D A |A D |A |
|A |D A |A D |A |
次は、これに乗るメロディを探します。今回は、次のようにしました。
Aメロが出来上がりました。次はBメロを作っていきます。
再び「A」「E」「D」の順番を変え、次のようなコード進行にしました。
|D |E A |D |E A |
そこにメロディを付け、次のような「Bメロ」を作りました。
このような手順で進めていきます。これで、1番のAメロ、Bメロ、サビが出来ました。
→【無料】こんなことまで教則本には書いてない!!現役シンガーソングライターが教えるギター講座・全16話4時間8分の無料レッスン動画を受け取る
手順3・歌詞を完成させる
「Aメロ」「Bメロ」「サビ」ができたら、歌詞を書きましょう。まずは、どんなことをテーマにするかを考えます。
題材探しについては「作詞の基本「ネタ探し」と「テーマ・題材選び」のヒント」で解説しています。
この時、「サビ」から書いていくと、曲全体の軸がブレにくいというメリットがあります。ですからまずは、1番言いたいことをサビに持ってきましょう。
そのサビに向かって、AメロやBメロで情景や気持ちを描いていきます。この作業は、言葉をメロディに当てはめながら進めていきます。
今回の例では、「缶コーヒーとそれにまつわるエピソード」を題材にすることにしました。前にご紹介した、下の写真のメモをもとに「A」「B」メロに歌詞を当てはめていきます。
————————————-
たくさんの円柱を並べている
私は今日もアルバイト
苦そうなBLACKの文字
甘ったるそうなミルクコーヒー
結局どれも同じような味で
美味しいなんて思わない
ちょっと不機嫌な顔をして
130円を置いていく
きっと彼にとっては毎朝の贅沢
今日も 缶コーヒー
————————————
1番の歌詞が出来上がりました。この構成で2番も作ってみます。
————————————
店の外はいつもの雑踏
電車行き交う駅のホーム
騒がしい雑誌の表紙
暇つぶしに眺めてた
今日もあの人がやってきた
いつもと変わらない不機嫌な顔で
260円と円柱2つ
電車は彼を連れて行った
私の目の前に残ったのは1本の缶コーヒー
→【無料】こんなことまで教則本には書いてない!!現役シンガーソングライターが教えるギター講座・全16話4時間8分の無料レッスン動画を受け取る
手順4・細部を作りこむ
大体の形が見えてきたら、細かなところを詰めていきます。例えば、以下のようなことです。
・イントロやアウトロを考える。
・2番のサビのあとに、Cメロを入れる。
・一部分だけ、ストロークのリズムを変えてみる。
・アルペジオを使ってみる。
・サビ始まりにしてみる。
このように、“工夫”を取り入れていきます。もちろん、ずっと同じストロークパターンで1曲を仕上げてもかまいません。
ですが、少し慣れてくると、曲に面白みを持たせたい!という気持ちになってくるんですね。なので、このように“工夫”をして、作りこむ作業をするのです。
工夫することで、単調な曲ではなくなります。そうすると、聴き手にとっても”飽きにくい曲”となります。
ここでは、1番のAメロとBメロを少し変えて、指でポロンポロン弾いてみました。
→【無料】こんなことまで教則本には書いてない!!現役シンガーソングライターが教えるギター講座・全16話4時間8分の無料レッスン動画を受け取る
手順5・全体を通して演奏してみる
形になった!というところまで来たら、全体を通して何度も演奏してみます。
弾いているうちに「なんかしっくりこないなぁ…。」というところがあれば、改善していきます。そうして、改善点をあぶり出し、修正を重ねていきます。
ここで仕上がった後も、練習やライブでの演奏を重ねて、変えていくこともよくあります。
特に、技術力が上がってくると、初期に作った曲をアレンジしたくなることがあります。なので、最初から難しい技を盛り込もうと気負う必要はありません。
つまり、今出来る範囲でひとまず完成させて、その後成長させていけばいいのです。
今回はこんな曲に仕上がりました!
——————————————-
缶コーヒーとあの人と私
詞・曲 B型さん
たくさんの円柱を並べてる
私は今日もアルバイト
苦そうなBLACKの文字
甘ったるそうなミルクコーヒー
結局どれも同じような味で
美味しいなんて思わない
ちょっと不機嫌な顔をして
130円を置いていく
きっと彼にとっては毎朝の贅沢
今日もあの人 缶コーヒー
店の外はいつもの雑踏
電車行き交う駅のホーム
騒がしい雑誌の表紙
暇つぶしに眺めてた
今日もあの人がやってきた
いつもと変わらない不機嫌な顔で
260円と円柱ふたつ
電車は彼を連れて行った
私の目の前に残ったのは1本 缶コーヒー
——————————————–
尚、ただいまギター初心者さん向けに無料レッスン動画を配信中です。以下のリンクよりお受け取りいただき、ぜひ日々の練習にお役立てください。
→【無料】こんなことまで教則本には書いてない!!現役シンガーソングライターが教えるギター講座・全16話4時間8分の無料レッスン動画を受け取る
まとめ
今回は、作曲方法と手順をご紹介してきました。
ざっとまとめると
1、コードを並べる、または鼻歌で曲を作る。
2、構成を考える。
3、歌詞を当てはめる。
4、細かい点を詰める。
5、全体を演奏しつつ、仕上げる。
という手順でした。
歌詞やメロディーが一部分しかできていなくても、そこから自分のやりやすい手順で進めていけばOKです。ここでご紹介した方法と手順は、一例に過ぎません。
人の数だけ作曲方法があります。ですので、「こうしなければならない!」ということはありません。最終的に、曲になれば良いんですから。笑
そんなふうに気軽に考えて挑戦してみてほしいです!
また、ただいま配信中のギター初心者さん向け・無料レッスン動画は、以下のリンクよりお受け取りいただけます。こちらもぜひご活用ください。
→【期間限定】こんなことまで教則本には書いてない!!現役シンガーソングライターが教えるギター講座・全16話4時間8分の無料レッスン動画を受け取る
最後までお読みいただきありがとうございました。
B型さん
Twitter→@sauripon