タングトリル・リップロールとは?効果は?やり方のコツや練習方法

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こんにちは!シンガーソングライターのB型さんです。

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ボイストレーニングの「タングトリル」や「リップロール」ってどうやるの?実際どんな効果があるの?と思っている人は多いですよね。

これらのトレーニングには、様々な効果があります。これらを知り、トレーニングすることで歌を上達させることができます。

今回は、「タングトリル」と「リップロール」のやり方や、それらの効果について解説していきます。

↓この記事の内容を動画でも解説しています。画面中央の再生ボタンを押してご覧ください。

タングトリル(巻き舌)とは?その効果は?

タングトリルとは、舌を上あごに当てて「ドゥルルルルル…」と震わせるトレーニングです。「巻き舌」とも呼ばれます。

「巻き舌」というと、ドラマのヤクザ役なんかが「なんじゃコラァァァ!」というセリフでやっているのを聞いたことがある人もいるでしょう。

あの「コラァァァ!」のところで、舌がグルングルンと動いているような音がしますよね。あれが「巻き舌」、つまり「タングトリル」です。

あれを、次の動画のように、「ドゥルルルルルルル…」とやるとボイストレーニングになります。

このトレーニングには、様々な効果があります。まずはこれらを順に解説していきます。

舌の筋肉をほぐす

まず1つ目の効果は、舌の筋肉をほぐし、リラックスさせられるということです。歌う時には、この“舌のリラックス”が大変重要です。なぜなら、舌の筋肉が硬くなっていると、歌声が綺麗に響かないからです。

その舌の筋肉を「タングトリル」によってほぐすことができます。すると、歌いやすくなるのです。

喉を開く練習になる

2つ目の効果は、喉を開く練習になるということです。この“喉を開く”ということも、歌う時の基本となります。これによって喉に負担をかけずに歌うことができるようになるからです。

この“喉を開いた状態”には、あくびをした時にもなります。しかし、歌っている時にこの状態にするには、トレーニングが必要になります。

これに「タングトリル」が有効なのです。なぜなら、この「タングトリル」は、喉を開かなければできないからです。つまり、タングトリルができるようになるということは、喉を開けるようになるということなんですね。

また、「タングトリル」ができるということは、舌のリラックスができているということです。それができていると、喉も緊張がほぐれた状態になります。すると喉が開きやすくなります。

このようなことから、喉を開く練習にタングトリルが有効だと言えるのです。

安定した声を出せるようになる

3つ目は、安定した声を出せるようになる、ということです。

なぜなら、このトレーニングは、吐き出す息の量を一定にする訓練になるからです。吐き出す息の量を一定にできるようになると、声がブレることなく、安定します。

反対に、吐き出す息の量が一定でなければ、声が裏返るなど不安定な歌声になってしまいます。このような問題を改善するためにも、タングトリルが有効です。

「タングトリル」をする間は、舌が回るほどの息の量を常に出す必要があります。なので、この訓練によって、どんな音を出す時も一定量の息を吐き出すことができるようになります。

その結果、安定した声を出すことができるようになるということなのです。

正しい音程がとりやすくなる

4つ目の効果は、正しい音程がとりやすくなる、ということです。これには、タングトリルをしながら歌う練習が効果的です。

このトレーニングによって、音の高さによって変わる喉の感覚を理解することができます。

歌う時の喉は、様々な音を出すために、色々な調節をします。例えば、「喉をどのくらい開くか」ということや、「喉のどのあたりで音を鳴らすか」ということです。

しかし、歌っている時は、喉だけでなく口や舌の動きにも気を取られてしまいます。そのため、「喉」の動きに集中しにくい状況になります。

これに対して、この「タングトリル」をしている間は、舌は一定の動きをしています。ですから、この間、喉の動きだけに集中することができます。その結果、喉の動きを理解しやすくなるということなのです。

このように、歌う時の喉の使い方を覚えられるので音程を取りやすくなる、ということなのです。

地声と裏声をスムーズに切り替えられるようになる

5つ目の効果は、地声と裏声をスムーズに切り替えられるようになる、ということです。この効果は、タングトリルで色々な音階を出してみることによって得られます。

タングトリルをしている間は、舌の動きは一定の動きをしますよね。このように、舌の動きが決まっているので、喉の動きだけに集中することができます。

すると、無理のない発声のための喉の動きを体で覚えることができるようになります。これによって、地声と裏声を切り替えるポイントがわかるようになります。

その結果、歌う時にも地声と裏声の切り替えを無理なくできるようになるということなのです。

滑舌が良くなる

6つ目に、滑舌が良くなるという効果も挙げられます。滑舌が悪いと、歌詞がきちんとメロディに乗らず、リズムが狂ってしまうことがあります。そのため、歌う時には滑舌の良さも求められます。

そのためにも、このトレーニングは有効です。これによって、舌や口周りの筋肉を脱力させることができるからです。その結果、口や舌の動きが良くなり、滑舌が良くなるということなのです。

なお、滑舌の鍛え方については「歌う時の滑舌の良さで歌のうまさが変わる!トレーニング方法を紹介」で、詳しく解説しています。

腹式呼吸の練習になる

7つ目の効果に、腹式呼吸の練習になる、ということも挙げられます。腹式呼吸は、お腹に空気を貯め、そこから排出するという呼吸法です。これによって安定感のある歌声になるので、ぜひマスターしたい呼吸法です。

タングトリルは、この呼吸法によって吐く息の量を一定にすることで、できるようになります。つまり、吐く息の量にムラがあるとできないのです。

ですから、タングトリルを練習することが、同時に腹式呼吸の練習にもなるということなのです。

腹式呼吸については、「歌う時の腹式呼吸を習慣づけよう!練習とやり方のコツ」で詳しく解説しています。

タングトリルの練習方法とやり方のコツ

ここからは、練習方法や、やり方のコツについて解説していきます。

タングトリルのやり方は次の通りです。

1、まず、次のように口を軽く開けます。

2、舌の先を、上あごに触れる程度に付けます。付ける場所は、「ラ」や「ル」を発音する時の位置が目安です。

3、舌をリラックスさせます。

4、息を勢いよく吐き出します。この時、お腹から息を吐き出すことを意識しましょう。

するとドゥルルル…と舌が振動します。これが「タングトリル」です。

これを何秒間か続けてやってみましょう。それができたら、タングトリルで歌ってみましょう。これによって、より効果的な訓練ができます。

けれど、なかなかできないという人もいると思います。そんな時は、短い言葉とともに練習してみるのもおすすめです。

例えば、「ブルンブルン」という言葉の「ル」のところや、例のヤクザ役のセリフ「何じゃコラァァ!」の「コラァァ!」を巻き舌にして言えるように練習してみるのです。

こうすると、「長く続けなければ!」というプレッシャーがないので、挑戦しやすいです。私は、小学生の時、「何じゃコラァ!」というセリフが言ってみたくてこれの特訓をしました。笑

これが言えるようになった次の段階で「ドゥルルルルルルルル…」と長いタングトリルができるようになりました。なので、まずは短くてもその音を鳴らせるようになることを目指してみると良いでしょう。

リップロールとは?その効果とは?

リップロールとは、口を軽く閉じたまま空気を出し、唇をブルブルブル…と震わせるトレーニングです。

次のようなものですね。

これによって、様々な効果が得られます。これらを順に解説していきます。

唇や表情筋をほぐす

1つ目の効果として、唇や表情筋をほぐすことが挙げられます。歌う時、口周りの筋肉が柔らかくほぐされている方が、声は綺麗に響きます。このトレーニングによって、それらの筋肉をほぐすことができます。

私自身、「表情筋が硬く、歌いにくいな」と思う時は、ウォーミングアップとしてこれをすることがあります。

そうして、顔の筋肉を動きやすくしてから歌うと、歌いやすくなります。

正しい音程がとりやすくなる

2つ目に、正しい音程がとりやすくなるという効果もあります。これには、リップロールで歌うという訓練が効果的です。なぜなら、これによって声帯で音程をとる練習ができるからです。

歌う時には、声帯だけを使って音程をとる必要があります。この「声帯」以外に、出す音の高さは、口の開き具合によっても変えることができます。

しかし、歌っている時には、声帯だけを使って音程をとる必要があります。なぜなら、その方が広い範囲の音程を操ることができるからです。

そこで、この「リップロール」の練習が有効なのです。リップロールをしている時は、口の形を変えることができませんよね。その状態で歌うと、声帯だけで音程を調節しなければならないため、訓練になります。

その結果、声帯で上手に音程を調節することができるようになり、正しい音を出しやすくなるということなのです。

地声と裏声をスムーズに切り替えられるようになる

3つ目に、地声と裏声をスムーズに切り替えられるようになる、という効果も挙げられます。これには、「リップロール」の状態で、地声と裏声を切り替えるトレーニングが有効です。

リップロールをしている間は、唇はほぼ閉じた状態です。なので、無理に大きな声を出すことができません。つまり、リップロールをしている時は、自然なボリュームを出しているということです。

例えば、「大きな声を出そうとしたら、声が裏返ってしまった…」ということがありますよね。これは、声を出す時に無理が生じているために起こります。

「リップロール」では、このような“無理”をすることができません。そのため、無理のない範囲で声を切り替える感覚を理解しやすいのです。そのため、地声と裏声を上手に切り替える練習になる、ということなのです。

喉を開く練習になる

4つ目の効果に、喉を開く練習になるということも挙げられます。なぜなら、喉を開いていないと、「リップロール」は難しいからです。

反対に、喉が閉まった状態だと空気がうまく通ることができず、リップロールにならないのです。

ですから、リップロールを練習は、喉を開く練習にもなるのです。

腹式呼吸の練習になる

5つ目の効果に、腹式呼吸の練習になるということが挙げられます。先述の通り、歌う時には腹式呼吸を癖付けることが求められます。

そこで、タングトリル同様、この「リップロール」の練習が有効なのです。

リップロールは、吐く息の量が一定でなければできません。つまり、出てくる息の量にムラがあるとできないのです。

そのためには、「腹式呼吸」が必要になります。そのため、リップロールを練習することが、腹式呼吸の練習にもなるということなのです。

リップロールの練習方法とやり方のコツ

ここからは、リップロールのやり方と練習方法を見ていきましょう。

1、まず唇を軽く閉じます。この時、唇がリラックスした状態になるようにします。

2、そこから、力が入らない程度に少しだけ唇を突き出します。次の写真のように、少しむすっとした感じの口にします。

3、その状態で息を吐き出します。この時、腹式呼吸を意識することがポイントです。

これで唇がブルブルと震えたらOKです。これができたら、次のステップとして、リップロールで歌ってみる練習をしてみましょう。

ですが、なかなかできない!という人もいると思います。そんな時は、次のように、ほっぺたを持ち上げてやってみるとやりやすいかもしれません。

また、唇を濡らしてもやりやすくなります。お風呂場など、湿度の高いところでもやりやすいかもしれません。一度コツをつかむとすぐできるようになるので、頑張ってみてください!

まとめ

今回は、タングトリルとリップロールの効果とその練習方法や、やり方のコツについて解説してきました。

タングトリルやリップロールの効果として、

・舌や表情筋をほぐすことができる。

・喉を開く練習になる。

・音程がとりやすくなる。

・地声と裏声をスムーズに切り替えられるようになる。

・腹式呼吸の練習になる。

・安定した声を出せるようになる。

・滑舌が良くなる

などが挙げられました。

これらのやり方は、

・タングトリルは、「ラ」や「ル」を発音する時のように舌の先を上あごに付け、息をお腹から勢いよく出すことがポイント。リラックスが大切。

・リップロールは、唇を少し突き出し、腹式呼吸を意識して勢いよく息を吐き出すことがポイント。頬を上げたり、唇を濡らしたりするとやりやすい。

ということでした。

これらの練習をすることで、歌の上達に様々な効果があります。さらに、楽に歌えるようになります。

最後までお読みくださりありがとうございました!

B型さん

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